Go to contents

米、テーパリング開始、資金供給政策のUターンが本格化

米、テーパリング開始、資金供給政策のUターンが本格化

Posted November. 05, 2021 08:40,   

Updated November. 05, 2021 08:40

한국어

米連邦準備制度(FRB)が、今月末からテーパリング(資産の買い付け縮小)を開始すると、3日(現地時間)明らかにした。FRBは国債や住宅抵当証券を買い入れる方式で資金を供給してきたが、その規模を減らすという意味だ。予想より物価が高騰し、コロナ禍の中で続いてきた量的緩和政策が大転換を迎えることになった。各経済主体は「金不足時代」に備えなければならない時だ。

FRBは、テーパリングを「期限付き措置」と主張し、「直ちには金利引き上げを考慮しない」と明らかにした。急激な資金圧迫ではないという意味だ。しかし、資金を供給して景気を刺激する時代は終わったと見なければならない。ジェローム・パウエルFRB議長は、「供給網の支障が来年も続くだろうし、物価上昇もやはり同じだ」と述べた。インフレ(物価上昇)の長期化とこれによる緊縮を予告したものだ。

危険なレベルを超えた家計負債は、流動性縮小時代を迎え、韓国経済の引き金になりかねない。KDIは昨日、「高負債」の局面では金利上昇時に成長率の下落幅が2倍に拡大するという報告書を発表した。負債が多いほど利息負担が大きくなり、実体経済は大きく萎縮せざるを得ない。

米金融界は来年6月ごろ、金利が引き上げられるものとみている。韓国も資本離れを防ぐためには金利を引き上げるしかない。低金利の「金の宴」で過熱した不動産や株式など資産市場が、大きな混乱に陥る可能性がある。資産を売りたくても受け入れる需要が減り、「借金投資」で投資した人は雪だるまのように膨らむ利息に押さえつけられる懸念が少なくない。資産市場のバブル崩壊を念頭に置かなければならない。

世界経済はコロナ禍が落ち着き、さらに大きな混乱に陥っている。物流体系が崩壊し、原材料価格が高騰し、インフレへの圧力が高まっている。これ以上資金を供給して景気を下支えできない状況となっている。あふれる流動性と借金で積んだ経済構造は持続できない。家計と企業は負債を減らし、資金計画を練り直さなければならない。政府も庶民向け金融を綿密に調べ、低成長対策も打ち出さなければならない。