
韓国画が変わりつつある。黒い水墨ではない派手な彩色画が基本だ。マンガやアニメーションのキャラクターのようなポップアート的な要素がカンバスに登場し、多様な設置作品まで現れた。このような進化をリードするのは、20〜40代の若い芸術家たち。
ソウル鍾路区世宗路(チョンロク、セジョンロ)の一民(イルミン)美術館が、20日から始まる新年最初の展示に選んだ韓国画の金銀鎮(キム・ウンジン、38)氏は、「悪いアイコン」というタイトルで異色の東洋画を披露する。華やかで淡泊な紛彩を背景色にし、多様な象徴が入り混じったイメージで、家族の本質や、イエスや聖母像、教皇などの宗教的象徴を独特の視線で描いた彼の絵は、西洋画的な華やかさに韓国画的な淡泊さが融合している。韓国画の題材が、西洋画に借用されたりもする。一民美術館1階で金氏とともに個展を開くソニー・キム(37)氏は、西洋画家でありながら、東洋的な山水のイメージを借用した特異なケース。今回の「完全な風景」展では、これまで好んで描いてきた十長生や狩猟する人物の姿をきれいに消し去り、山と岩などの風景だけを残して絵を構成した。2月19日まで。02−2020−2055
ソウル鍾路区仁寺(インサ)洞のギャラリー・サンで、2月8日〜3月5日まで展示を開くハン・ウンソク(37)氏は、韓国画の材料を使うが、伝統の韓国画とはまったく異なる世界を追求する。水で湿らせた朝鮮紙に、墨や絵具で色を入れ、また水を落とすことを繰り返して形象をつくっていく画法は、にじんで広がり、乾く過程だけで抽象の世界を表現する。02−730−0030
イム・テク(34)氏は、山水の風景を立体に変える芸術家。ソウル鍾路区寛勲(クァンフン)洞の仁寺美術空間で、8回目の個展となる「移された山水:遊覧記」展(27日まで)には、山水風景が、韓紙のオブジェとして作られている。岩、松、東屋、橋のある風景の中に、人間がミニチュアで作られる。設置作品が、もはや西洋画の専有物でないことを示す彼の展示は、韓国画の多様な拡大を見せてくれる。02−760−4722
韓国画の拡大として見逃せないのが、アニメーション。伝統水墨と先端アニメーションを結合させて、「動く水墨画」を描く傾向が、ごく少数の画家の一回限りの実験作業から脱し、数年前から若い韓国画専攻者たちを中心に広がっている。昨年、多様な韓国画の変身を紹介した「紙筆墨遊び美術館」を計画したソウル錦湖(クムホ)美術館の金ユンオク・キュレーターは、「一時、韓国画の存廃問題まで論議されたことがあったが、それも昔の話だ」とし、「最近の若い韓国画家たちの多様な実験は、韓国画の中興を期待させる」と話した。
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