Go to contents

「南京大虐殺は打ち消しがたい事実」 村上春樹氏の所信

「南京大虐殺は打ち消しがたい事実」 村上春樹氏の所信

Posted March. 07, 2017 08:28,   

Updated March. 07, 2017 08:28

한국어
人気作家の村上春樹氏が、新作小説『騎士団長殺し』で南京大虐殺について言及し、右翼の攻撃を受けている。先月24日に出版された全2巻の新作は、初版に130万部を刷ったが、3日で48万部が売れるほど日本で旋風的な人気を呼んでいる。

村上氏は新作で、登場人物の口を借りて、「とにかくおびただしい数の市民が戦闘の巻き添えになって殺されたことは、打ち消しがたい事実です。中国人死者を四十万人というものもいれば、十万人というものもいます。しかし四十万人と十万人の違いはいったいどこにあるのでしょう」と尋ねた。

南京大虐殺は1937年12月、日本軍が南京占領後、6週間の間に起こした虐殺事件で、中国は当時30万人が犠牲になったと主張する。一方、日本政府は、虐殺は認めるが具体的な被害者数は確定できないという立場だ。

本の内容が伝えられると、南京大虐殺を否定する右翼陣営が反発した。日本の大手ホテルチェーンAPAグループの元谷外志雄代表は、先月末にある講演で、「ノーベル平和賞を取ろうとしたら中国の支持がなければいけない。大江健三郎が左だったからノーベル賞がもらえたと、自分もそれにあやからなければいけないという思いが、本の中にそういうことを書き込んだ」と批判した。

元谷氏は、慰安婦と南京大虐殺を否定する自身の本をホテルの客室に備えつけて最近話題になった人物だ。元谷氏は「本を買わない方がいい」とも言った。先月末、嫌韓政党を作った桜井誠前「在特会」(在日特権を許さない市民の会)会長も村上氏のことを「本当に日本人なのか疑わしい」と非難した。

村上氏は2015年にメディアとのインタビューで、「日本は過去の侵略の事実を認め、相手国が納得するまで謝罪するべきだ」と話すなど、過去に対する考えを明らかにしてきた。昨年10月、デンマークでのアンデルセン文学賞受賞の所感では、「自らに合うように歴史をどんなに書き換えようとも、僕たち自身を傷つけ、苦しませるだけです」と話し、安倍晋三内閣の歴史修正主義を批判したのではないかと見られる場面もあった。



張源宰 peacechaos@donga.com