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[社説]金正恩氏の核恐喝にTHAAD含む対応が必要だ

[社説]金正恩氏の核恐喝にTHAAD含む対応が必要だ

Posted March. 05, 2016 07:07,   

Updated March. 05, 2016 07:13

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が、「国家防衛のために実戦配備した核弾頭を任意の瞬間に撃てるよう常に準備しなければならない」としながら、「もはや敵に対する我々の軍事的対応を先制攻撃的な方式にすべて切り替える」と述べた。実戦配備した核兵器で、韓国と米国を先制攻撃できるという警告だ。仮にも一国家の最高指導者が先制核攻撃を公言することは、国際社会で類例のない暴挙だ。韓米合同軍事演習と国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議2280号の採択に対する不満を荒っぽく表出したのかも知れないが、金第1書記が実際に核ボタンを押す力を持っている限り、単なる虚勢と片付けることはできない。

国際社会の圧力を受けた金第1書記は、体制維持に対する不安が強い。金第1書記が、「今、敵が『斬首作戦』や『体制崩壊』といった愚かなことこの上ない最後の賭けにしがみついており、情勢はこれ以上傍観できない険悪な状況に至った」と言ったのも、そのような危機意識の吐露だ。窮地に追い込まれたネズミが猫をかむように最後には自滅で終わる無謀な挑発に出る可能性を完全に排除することはできない。

7日から史上最大の規模で始まる韓米合同軍事演習には、平壌(ピョンヤン)攻略演習が含まれている。北朝鮮が、核とミサイルで挑発する兆候を見せた場合、韓米は北朝鮮指導部と核・ミサイル施設などを先制打撃する計画を綿密に立てている。しかし、北朝鮮が先に核攻撃を強行する場合、韓国としては適当な防衛手段がない。2020年代に予定された「キルチェーン」と韓国型ミサイル防衛(KAMD)構築を最大限操り上げ、米国の原子力潜水艦など戦略資産を韓半島付近に常時配備し、核抑止力を大幅に強化する必要がある。

 

韓米が4日、高高度ミサイル防衛(THAAD)の在韓米軍配備問題を協議する共同実務団を公式発足させた。中国が頑なに反対したため、韓米の協議がしばらく停滞していた。THAADが負担なら、中国は金第1書記を説得しようが圧迫しようが核を放棄させればいいことだ。金第1書記が核恐喝をする状況では、自衛の次元でTHAADを含む万全の対策を立てることは避けられない。まさか金第1書記が途中でやめるだろうという安易な態度では、国家を防衛することはできない。今展開する韓半島危機は、リアルな状況だ。



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com