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尹大統領がペロシ氏と電話会談、儀典混乱を露呈した「中枢国家」外交

尹大統領がペロシ氏と電話会談、儀典混乱を露呈した「中枢国家」外交

Posted August. 05, 2022 09:00,   

Updated August. 05, 2022 09:00

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は4日午後、ペロシ米下院議長と電話会談し、米議会代表団の訪韓を歓迎した。特に、ペロシ氏一行の板門店(パンムンジョム)共同警備区域(JSA)訪問について、「対北朝鮮抑止力の兆候になるだろう」と述べた。これに先立ち台湾を電撃訪問し、中国を強く批判したペロシ氏は、今回の訪韓では北朝鮮の核の脅威に対抗した拡大抑止の強化など対北朝鮮メッセージに力を入れた。ペロシ氏は、金振杓(キム・ジンピョ)国会議長との会談、JSA訪問を終えた後、日本に出国した。

尹大統領とペロシ氏の電話会談は当初予定になく、「過恭」と「非礼」の間で見出した儀典上の折衝と見ることができる。休暇のため会談計画がなかった尹大統領は、地方訪問を取り消してソウルにいたため、同盟国の議会トップの訪韓を冷遇することも、だからといって休暇中に出て行くこともできない状況になったためだ。

3日まで、大統領室が両者の会談をめぐって混乱したのもそのような理由からだろう。大統領室は3日午前、尹大統領の休暇を理由に会談には線を引いた。しかし午後になって、電撃会談の可能性があるという一部報道が出ると、『会談を調整している』と説明し、再び「調整はなかった」と否定した。大統領室は4日朝、両者が電話会談することを明らかにした。そして、「韓国の国益を総体的に考慮して決めた」と述べた。

ペロシ氏の台湾訪問は、中国の激しい反発と共に軍事的超緊張対決を生んだ。中国は4日、台湾を海と空で事実上封じ込める実弾軍事訓練に入り、武力衝突が懸念される状況だ。このような対決局面は、韓国にとっても対岸の火ではない。24日の韓中国交正常化30年を控え、関係の再確立を図る政府としては大きな負担に違いない。

新冷戦が激化すればするほど同盟の重要性はいくら強調してもしすぎることはない。しかし、対決の最前線にいるため、隣国であり最大貿易国との関係悪化は避けることも重要だ。いつになく緻密な対外戦略の下、慎重に動かなければならない。儀典問題をめぐってその時々のムードや周囲の雑音で揺れ動いては、「グローバル中枢国家」という目標は色あせるしかないだろう。