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誤って判断された絵画

Posted March. 23, 2023 08:34,   

Updated March. 23, 2023 08:34

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若い男が、滝が流れる水の中で裸のままヴァイオリンを演奏している。奇妙なシーンだ。アーンシュト・ユーセフソンが描いたこの絵は、完成するやいなや激しい論争を巻き起こした。一体絵の中の男は誰なのか、画家はなぜこのような絵を描いたのか。

ユーセフソンは1851年、スウェーデンの裕福なユダヤ人家庭に生まれた。叔父たちが劇作家や作曲家だったので文化的な環境で育ったが、10代の時に父と姉を相次いで失う悲劇を経験した。16歳でストックホルム王立美術院に入学したユーセフソンは、20歳の時にこんな決心をする。「スウェーデンのレンブラントになれなければ死んでやる」。

画家として評価を得るようになった30代前半に描かれたこの絵(「水の精」・1882年・写真)は、北欧神話に登場する水の精を描いている。神話によると、水の精は優れたヴァイオリンの演奏曲で人々を誘惑し、溺れさせる恐ろしい存在だ。絵の中で、水の精が月光の下で演奏している。後ろには水が滝のように降り注ぎ、音楽は滝の音と混ざり合う。水草が彼の頭と足の間を包み込み、白い花が彼の背中と足をくすぐる。若くて健康的な体を持つ水の精は、目を閉じ、口を半開きにしている。誰かを誘惑するどころか、まるで自分の音楽に酔いしれているかのようだ。絵が公開されると批評家の非難が殺到し、スウェーデン国立美術館の展示を拒否された。

それでもユーセフソンはこのテーマに魅了され、いくつかのバージョンを描いた。ユーセフソンは水の精が統制されない人を象徴していると考えた。共同体に依存せず、自分の道を行く浪漫的な芸術家のもう一つの自我と見た。つまり、孤独で辛いが、自分の芸術に陶酔して楽しむ画家自身の姿なのだ。

当時のスウェーデンの画壇では写実主義や自然主義が主流だったため、このような主観性を表す作品は受け入れられなかった。国立美術館が「水の精」の革新性と作品性を認めて購入したのは1915年、絵が完成して33年後のことだった。