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高齢者も青年も不幸な「年金改革のない高齢社会」

高齢者も青年も不幸な「年金改革のない高齢社会」

Posted December. 06, 2022 08:43,   

Updated December. 06, 2022 08:43

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韓国社会は、最も速いスピードで老いているが、老後への備えは不十分で、貧しい老後を迎える可能性が高いことが分かった。基礎生活を保障する国民年金は枯渇寸前であり、安定的な老後のための私的年金も極めて低い収益率で本来の役割を果たせずにいる。このまま行けば、高齢化は高齢者にも、扶養負担を負う青年にもともに災いになるだろうという暗鬱たる予測だ。

今年65歳以上の高齢層は、全体人口の17.5%である901万8000人と集計された。3年後は高齢人口の割合が20%を超える超高齢社会に進入する。だが、「老後の準備がよくできている」と自信を持つ世帯は9%にもならない。他の先進国の高齢者は引退後、余裕のある生活を送っている一方、韓国の高齢者は70歳を過ぎても生業を手放せない理由だ。

国民年金は、実質所得代替率が31.2%で、経済協力開発機構加盟国の平均(51.8%)より著しく低い。これさえも、2055年頃には積立金が底をつく。5年ごとに保険料と給付水準を見直さなければならないにもかかわらず、2007年以降放置してきたためだ。これまで保険料を払う出生児数は半分に減り、受け取る高齢層は2倍になった。基金が底をつくと、未来世代が30%水準の保険料を負担しなければならない状況になる。青年たちの間で、「国民を相手にしたねずみ講」という極端な表現が出てくるほど信じられていない年金制度は持続可能だろうか。

高コスト・低効率制度である基礎年金も、見直さなければならない。年間20兆ウォンをかけて所得下位の高齢者70%に月30万ウォンを支給しているが、貧困改善効果は7%にも満たない。それでも国会では、野党発議で月40万ウォンを高齢者全体に支給する法案が係争中だ。支給額を10万ウォン引き上げるだけでも、2040年には年間支出額が100兆ウォンに急増し、公的年金制度そのものを脅かすことになる。支給対象を脆弱老人に絞って、集中支援する必要がある。

海外先進国の老年が安定した理由は、老後保障と財政の安定性がバランスを取るよう公的年金を持続的に改革するためだ。2004年から漸進的な年金改革を行ってきた日本は、今年4月にも受領開始年齢を60歳から75歳に遅らせたのに続き、最近は納付期間を64歳までへと5年延長する案を推進している。韓国の場合、選挙負担のない来年の上半期を越えないという覚悟で年金改革に臨まなければならない。公的年金を補完する退職年金と個人年金制度を拡大し、物価上昇率にも及ばない収益率を引き上げる案も模索しなければならないだろう。