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カスタマイズ翻訳でベトナムで大ヒット 映画「ユクサオ」

カスタマイズ翻訳でベトナムで大ヒット 映画「ユクサオ」

Posted December. 06, 2022 08:40,   

Updated December. 06, 2022 08:40

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今年8月に公開し、観客198万人を集め、低予算コメディー映画の底力を見せた韓国映画「ユクサオ」がベトナムで大ヒットしている。9月23日の現地での上映後、先月末までに韓国よりも多い225万人を集め、ロングランを続けている。225万人は、ベトナムで公開された韓国映画の中で過去最高記録。これまでの最高記録はヨン・サンホ監督の「半島」(2020年)が打ち立てた120万人だった。

「ユクサオ」がベトナムでヒットした秘訣は、まずは南北分断を扱ったという点が挙げられる。ベトナムも過去、南北分断の痛みを経験しており、ベトナム人に同質感を抱かせたということだ。だが「一等功臣」は、現地の情緒と流行語を反映した翻訳が挙げられる。映画の配給を担ったCJ HKエンターテイメントのチョン・テソン法人長は、「現地の観客のコメントに翻訳に対する賞賛が多かった。翻訳のおかげで、ずっと笑っていたという反応が多い」と話した。

翻訳をしたのは専門の翻訳家ではなく、CJ HKエンターテイメントのベトナム現地スタッフ。翻訳に参加したダオティチュッカ・マーケティングチーム長とウンウイェントゥアンリン配給チーム長は、東亜(トンア)日報の書面インタビューで、「韓国特有の慣用句や韓国の最新の流行語をできるだけベトナムの状況と情緒、文化に合わせて翻訳することに努めた」と話した。

代表的なのは、韓国の軍人たちが軍事境界線(MDL)を越えて北朝鮮に飛んだロト1等の当選金分配交渉を北朝鮮側に提案する対北放送で、「北朝鮮の同胞に言います。チャン・ギハと顔たち『今会おう』」と叫ぶシーン。これは、ベトナムの国民歌手チン・コン・ソンの歌「手を取って」に翻訳した。翻訳担当者らは、「実際の歌は『今会おう』で、歌詞もそのまま翻訳したが、ベトナムの歌のタイトルを活用して笑いを誘った」と話した。

北朝鮮軍のリ・ヨンヒ(パク・セワン)が対南放送で、韓国の対北放送担当兵士パク・チョンウ(コ・ギョンピョ)を「おなら兵長同志」とからかうシーンは、ベトナム語のおならの擬音語を入れて「パクプン兵長」と翻訳し、現地の観客を笑わせた。パク・チョンウがリ・ヨンヒを「北朝鮮のアイユー」と呼ぶシーンは、歌手アイユーがベトナムでも有名なのでそのまま使った。

北朝鮮軍リ・ヨンホ下士(イ・イギョン)が、韓国兵士に偽装して韓国に行く前に「カププンサ(突然雰囲気が寒くなる)」など、「南朝鮮の流行の短縮語」を学ぶシーンは、すべてベトナムの流行語に置き換え、若い観客を爆笑させた。翻訳担当者らは、「主要観客層の18~25歳が現地映画のように楽しめるようベトナムで流行りの言葉に変えるよう努めた」と語った。


孫孝珠 hjson@donga.com