
がん細胞を直接探し出して攻撃する次世代遺伝子細胞治療剤「キメラ抗原受容体(CAR)治療剤」の性能を高めることができる技術が開発された。CAR治療剤は、患者の免疫細胞(T細胞、NK細胞)を取り出し、特定の細胞を攻撃するよう指示する遺伝子を組み込んだ後、再び体内に注入する治療法だ。
韓国化学研究院は21日、パク・ジフン責任研究員率いる研究チームが、CAR治療剤の抗がん遺伝子発現率を高める新たなウイルスベクターのエンベロープタンパク質「SRV2」を発見したと明らかにした。研究成果は国際学術誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』4月号に掲載された。
がん細胞のような特定の細胞を攻撃するよう指示する遺伝子を免疫細胞内へ送り込むために、主にウイルスベクターが用いられる。ウイルスベクター表面のエンベロープタンパク質が免疫細胞と結合し、遺伝子が免疫細胞内部へ入るのを助ける。
研究チームは、サル由来ウイルスから見つかった新たなエンベロープタンパク質SRV2に着目した。実験の結果、SRV2を基盤とするベクターは、現在主に使用されているエンベロープタンパク質「RD114」で作製したベクターよりも遺伝子導入効率が高かった。SRV2を利用して作製したCAR-T細胞とCAR-NK細胞では、免疫細胞内部への遺伝子導入成功率が相対的に高く、抗がん遺伝子の発現率は従来比でそれぞれ20~25%、5~12%向上した。CAR治療剤が特定細胞を攻撃する効率が改善されたことを意味する。
動物実験でも効果が確認された。白血病のがん細胞を移植したマウス4匹にSRV2ベースのCAR-T治療剤を投与したところ、3匹は実験終了時まで腫瘍が増殖しなかった。一方、治療を受けなかったマウスは全て46日以内に死亡した。
研究チームは今後、ベクターの大量生産と実用化に向けた後続研究を進める計画だ。韓国化学研究院の申錫敏(シン・ソクミン)院長は、「新たなベクターが治療剤の生産歩留まりと抗がん効果の向上に寄与することを期待している」と述べた。
ムン・ヘウォン東亜サイエンス記者 moony@donga.com






