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国情院、タイ当局と合同作戦 現地の麻薬製造拠点を急襲し7億人分の原料押収

国情院、タイ当局と合同作戦 現地の麻薬製造拠点を急襲し7億人分の原料押収

Posted June. 11, 2026 09:03,   

Updated June. 11, 2026 09:03


国家情報院はタイ当局と合同で現地の麻薬製造拠点を急襲し、麻薬原料約50トンを全量押収したと10日発表した。政府機関が海外の麻薬供給拠点を直接摘発したのは初めて。

国情院は9日(現地時間)、タイ麻薬統制庁(ONCB)と合同でタイ国内の麻薬原料物質保管倉庫10カ所を急襲し、麻薬製造に使われる予定だったアセトン、塩酸、硫酸などの麻薬原料および化学物質49.98トンを全量押収した。この日押収された原料は、覚醒剤21トンまたはヤーバー11億錠を製造できる量で、麻薬として製造・流通されていれば、7億人が同時に使用できる規模に相当する。末端価格は約8兆4000億ウォンと推定される。

国情院は、2024年にタイ産麻薬の流入量が密輸量全体の39%(294キロ)を占めるほど、両国間の麻薬犯罪が深刻化したことから、ONCBとの協力を大幅に強化してきた。今回の作戦も、国情院がONCBの緊急要請を受け、4月7日にタイ人麻薬王「タパナン」を韓国内で逮捕し、タイへ送還したことが契機となった。当時タパナンは美容整形を受けるため偽装身分で韓国に入国していたが、韓国とタイの情報当局による情報共有を通じて拘束された。ONCBによると、タパナンはタイ国内で流通する麻薬の半分以上を扱う大物麻薬密売人だ。過去10年間でタイ当局から50件の逮捕状が出されていた。

国情院はONCBとの合同捜査を通じ、タパナンが海外で麻薬原料物質を購入し、ゴールデントライアングル地域で完成品を製造した後、オーストラリアや韓国などへ流通させてきたと分析した。その後、タイ国内の大規模な麻薬原料隠匿倉庫の所在地を突き止め、作戦を実行した。

国情院が公開したドローン映像には、保管倉庫内に原料物質が入った白い袋や青いドラム缶が隙間なく積み上げられている様子が映っている。国情院の捜査官が、グローバル化学企業UNIDが製造したと表示された水酸化カリウムの袋を撮影する場面も確認された。水酸化カリウムは、石けんや洗剤の製造に用いられる強力な化学物質だが、一部の違法薬物の製造過程でも使用されることがあるとされている。

タイのアヌティン・チャーンウィーラクーン首相は作戦終了後の記者会見で、「今回の捜査は大韓民国政府、とりわけ国家情報院との緊密な協力によって実現した」と述べ、国情院による情報分析や情報支援、タパナン逮捕・送還への協力に謝意を示した。

欧州3カ国を歴訪中の李在明(イ・ジェミョン)大統領もこの日、国情院による麻薬保管倉庫急襲を伝える記事をX(旧ツイッター)で共有し、公に称賛した。李氏は「大韓民国国家情報院の新たな姿だ」とし、「切れ味の鋭い刃物は、使い方によって人を傷つけることも救うこともできる」と述べた。


申나리 journari@donga.com