
李在明(イ・ジェミョン)大統領は18日、「労働権と同じように企業経営権も尊重されるべきだ」とし、「現在の憲法上、すべての国民の基本権は保障されるが、本質的内容を侵害しない範囲で公共福祉などのため制限され得る」と述べた。21日に予定されているゼネストまで3日となる中、三星(サムスン)電子の労使が最終交渉に乗り出した状況下で、ストライキが強行された場合に「緊急調整権」を発動する可能性を示唆したとの見方が出ている。
李氏は同日、X(旧ツイッター)に「過猶不及 物極必反(過ぎたるは及ばざるがごとし、物事は極まれば必ず反作用を招く)」と投稿し、このように述べた。「論語」や「唐書」の一節を引用し、三星電子労組の要求を迂回的に批判したものと受け止められている。
三星電子労組は、年俸の50%に設定されている成果給上限の撤廃や、営業利益の15%を成果給財源として確保することなどを求めている。
李氏は「労働者は労務提供に対し正当な対価を受けるべきであり、リスクと損失を負担して投資した株主も企業利益に対して持ち分を有している」とし、「かつての制憲憲法には、労働者の企業利益均霑権が規定されていたこともあった」と述べた。企業利益の一部を労働者が分配される権利を明示していた憲法条項が削除された以上、営業利益と連動した成果給制度化を求める三星電子など一部労組の要求は過度だとの意味合いと解釈される。
李氏が自ら三星電子労組に向けたメッセージを出したのは、三星電子のストが現実化した場合、政府介入が避けられないとの認識を示したものとみられている。金民錫(キム・ミンソク)首相は17日の国民向け談話で、「三星電子のストにより国民経済に甚大な被害が懸念される状況となれば、政府は国民経済保護のため、緊急調整を含むあらゆる対応手段を講じる」と述べた。
三星電子の労使交渉を仲裁している中央労働委員会は、この日始まった「第2次事後調整」を19日まで2日間行うことを決めた。日程を2日間に延長したのは、労使間の隔たりが大きく、交渉が早期にまとまるのは難しいと判断したためだ。
事後調整に単独調整委員として参加した朴秀根(パク・スグン)中央労働委員長は同日、記者団に対し、「きょう調整案が出るのは難しい」と述べた。中央労働委員長が個別企業の労使仲裁に向けた調整委員として参加するのは極めて異例だ。
政府は、事後調整が決裂し、労組がストを強行した場合、直ちに緊急調整権を発動する可能性も視野に入れているという。現行法上、緊急調整権の発動時期に明確な規定はないが、政府はストと同時に即時発動しても法理上問題はないとの結論を下したとされる。ただ、政府内ではスト開始後もしばらく労使交渉の状況を見極めた上で、緊急調整権を発動する案も有力に検討されているという。
朴訓祥 tigermask@donga.com






