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「苦情が怖い」 教師たちが避ける「教師の日」

「苦情が怖い」 教師たちが避ける「教師の日」

Posted May. 15, 2026 09:27,   

Updated May. 15, 2026 09:27


京畿道(キョンギド)北部のある中学校に勤務する教師のチェ氏(30)は、15日の教師の日を前に年次休暇を取得した。教師の日をめぐって生じかねない不要な誤解を、あらかじめ遮断しようとの考えからだ。チェ氏は「学校側から『いかなる贈り物も受け取るな』との指針が下りている」とし、「気持ちを示そうとする行為を冷たく断るのもつらいし、悪質な苦情を入れる保護者の標的になるかもしれないので、むしろ席を外すことにした」と語った。

●「手紙すら誤解招きかねない」…冷え込む教育現場

このように、本来は感謝と祝福の意味を込めるべき教師の日が、教育現場では「避けたい日」へと変わりつつある。教師たちが教師の日を負担に感じる背景には、2016年施行の不正請託禁止法がある。国民権益委員会によると、教師の日に児童生徒代表などが公開の場で渡すカーネーションを除き、教師への個別の贈り物は禁止されている。強化されたコンプライアンス重視の流れが、最近相次ぐ悪質苦情問題と重なり、ささいな好意ですら「不正請託」苦情の口実になり得るとの不安が広がっている。

中学校教師のイ氏は、15日に予定されている学校の体育大会がむしろありがたいと語った。イ氏は「以前、隣の学校の教師が(不正請託禁止法上)認められている手紙を受け取ったが、別の保護者から『手紙を渡した生徒を優遇しているのではないか』と疑われるのを見た」とし、「保護者や生徒の好意を断る過程で精神的消耗が大きい。今年は体育大会の日程に紛れて過ぎていくので気が楽だ」と話した。

現場では、過度な法解釈をめぐる論争も続いている。慶尚北道(キョンサンプクト)教育庁は13日、教師向け業務ポータルに掲載した「分かりにくい不正請託禁止法の完全整理」というバナーで、「児童生徒が自発的にケーキを準備しても、教師と一緒に分けて食べることはできない」と記載したが、議論を呼び削除した。現場では「教師は食べられない教師の日のケーキを児童生徒同士で分け合って、何を学べというのか」との批判が相次いだからだ。教育庁側は「昨年、関連問い合わせが多く寄せられたため、案内目的で掲載した」と説明した。

●教師の94%「尊重されていない」…広がる「教レグジット」

教師たちの士気低下も年々深刻化している。この日、教師労働組合連盟が教師の日を前に全国の幼稚園、小中高校教師7180人を対象に行った調査では、「教師の教育的価値と献身が社会的に尊重されている」との設問に、「そう思う」と答えたのは回答者の5.6%にとどまった。「教職生活にやりがいや誇りを感じる」と答えた教師も34.4%にすぎなかった。

教師と、「去る」を意味する英単語「exit」を組み合わせた「教レグジット」を悩む教師も増えている。最近1年間で転職または辞職を考えたことがあると答えた教師は55.5%で、半数を超えた。教壇を離れたい理由としては、「保護者の悪質な苦情」(62.8%)が最も多く、続いて「給与など待遇への不満」(42.1%)、「児童生徒による教育活動侵害」(33.6%)の順だった。全国教職員労働組合(全教組)が全国教師1902人を対象に行ったアンケートでも、「教師が教育活動に専念できる条件が保障されている」と考える教師は14.7%にとどまった。これについて教師労組は「教師のやりがいを壊し、教職アイデンティティーを崩壊させることが、教権侵害の本質的危険だ」とし、全教組は「教師たちが切実に求めているのは、法的保護装置と構造改善だ」と訴えた。


チョン・ソヨン記者 安東=ミョン・ミンジュン記者 cero@donga.com