
中東の主要産油国アラブ首長国連邦(UAE)が来月1日付で石油輸出国機構(OPEC)およびOPECプラス(OPECとロシアなど主要産油国10カ国の枠組み)から脱退すると表明し、「世界最大の原油カルテル」とされるOPECの亀裂と影響力低下は避けられない情勢となった。
今回の決定は、トランプ米大統領の長年の反OPEC路線を後押しする象徴的な出来事ともみられている。トランプ氏は第1次政権期(2017年1月~21年1月)から、米国が中東産油国の安全保障を支えているにもかかわらず、OPEC加盟国が意図的に減産して高油価を維持しているとして不満を示してきた。2018年9月の国連総会や今年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議)などで、OPECに対し「価格引き下げ」を公然と迫った。
ロイター通信はUAEの脱退決定について「事実上トランプ大統領の勝利」と指摘した。OPECを主導してきたサウジアラビアの国際エネルギー産業における影響力が低下するとの観測が流れている。
●UAE、OPEC内でサウジに次ぐ影響力
28日(現地時間)、カタールのアルジャジーラ放送によると、UAEの1日平均原油生産量は292万バレルで、OPEC内4位。サウジ(896万バレル)、イラク(386万バレル)、イラン(326万バレル)が上回るが、イラクやイランは戦争や政情不安の影響があり、安定供給能力ではUAEがサウジに次ぐとの評価もある。
実際、国際エネルギー機関(IEA)などによると、UAEはサウジとともに国際原油価格に影響を与え、供給ショックに対応できる「余剰生産能力」を持つ数少ない加盟国とされる。余剰生産能力とは、現在稼働中の生産施設に加え、市場の需要に応じて短期間に稼働させて実際の生産につなげることができる追加供給力を指す。
米CNBCや英紙ガーディアンは、このように国際原油市場の危機時に大きな影響力を持つUAEの脱退が、OPECおよびサウジ中心のエネルギー産業体制に打撃を与えると展望した。
●オイルショック時「石油の武器化」で影響力誇示
1960年設立のOPECは、欧米の大手エネルギー企業による価格支配への対抗として中東産油国が結成した。OPECによると加盟国は世界の石油埋蔵量の約79.2%、供給量の約40%を占める。生産量を調整し価格下落を防ぐ仕組みから「カルテル」と呼ばれてきた。
特に2度のオイルショックではその影響力を誇示した。73年の第1次オイルショックでは、中東戦争でイスラエルを支援した西側諸国への対抗として減産と約4倍の価格引き上げを実施。78~81年の第2次オイルショックは、イラン革命やイラン・イラク戦争で価格が高騰した際、OPECが市場の不安を利用して段階的に価格をさらに引き上げ、より多くの収益を得ようとする過程で発生した。
●米シェールガス開発に対抗し、増産による価格下落も図る
こうしたOPECの「石油の武器化」によって経済が衝撃を受けると、米国はカルテルに翻弄されないよう、シェールガスの開発に積極的に乗り出した。米国のシェール産業の急成長に危機感を抱いたOPECは2014年頃に大規模増産に踏み切り、国際価格を急落させた。中東産原油に比べて生産コストが高い米国のシェール企業を倒産させるため、人為的な価格下落まで辞さなかったのだ。
しかし、一部の米シェール企業は技術革新でコストを下げて生き残り、米国は主要産油国の地位を維持している。トランプ氏が反OPEC姿勢を堅持しているのも、こうしたOPECの歴史的背景があるとみられる。
キム・ハギョン記者 アン・ギュヨン記者 whatsup@donga.com






