
米国・イスラエルとイランの戦争でホルムズ海峡の封鎖が長期化する中、中東と欧州を結ぶ陸上パイプラインを建設すべきだとの声が出ている。
国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は、ホルムズ海峡への依存度を下げるため、トルコ南東部の地中海沿岸の港湾都市ジェイハンと、イラク南東部のバスラ油田を結ぶパイプラインの建設を提案した。ビロル氏は19日、トルコ紙ヒュリエットとのインタビューで、現在のホルムズ情勢を「割れた花瓶は元通りにするのは非常に難しい」とし、「新たなパイプラインはイラクにとって不可欠であり、エネルギー安全保障の面で欧州にとっても重大な機会になる」と述べた。建設資金については、欧州の支援を受けられるとの見通しも示した。
約900億バレルの原油埋蔵量を持つイラクのバスラ油田は、同国の原油輸出の90%を占めている。現在、バスラ油田からの原油輸出は全面的にホルムズ海峡に依存している。このため、今回のような海峡封鎖の局面では減産に追い込まれるほど脆弱だ。しかし陸上パイプラインが整備されれば、ホルムズ海峡が封鎖されても、地中海経由で欧州に原油を安定供給できる。この場合、トルコのジェイハン港に近いイタリア、ギリシャだけでなく、地中海内の短距離海上輸送でコストを抑えられるフランス、スペイン、ドイツなども恩恵を受けるとみられる。
韓国にとっても、イラク産原油の迂回ルートが確保されれば、国際原油価格の安定やスワップ取引などの安全装置を確保できる。現在、韓国のイラク産原油輸入比率は11%で、サウジアラビア、米国、アラブ首長国連邦(UAE)に次いで4位だ。韓国国内の精油業界関係者は「地中海経由でイラク産原油が流通すれば、ホルムズ封鎖による国際原油価格への衝撃を和らげる助けになるだろう」と話した。
すでにトルコは、ジェイハンからイラク北部キルクークに至る既存のパイプラインを、イラク南部まで延長することを提案している。そこにバスラを接続すれば、欧州各国がイラク産原油を容易に調達できるというのが、ビロル氏の構想だ。
一方、ホルムズ海峡封鎖による国際原油価格への衝撃は、もはや耐え難い水準に達しているとの警告も出ている。UAEの国営アブダビ石油会社(ADNOC)のスルタン・アル・ジャベル最高経営責任者(CEO)はX(旧ツイッター)に「世界経済には、これ以上の不確実性に耐える余力がない」とし、「封鎖50日間で6億バレルにのぼる原油が行き場を失った。世界中の一般市民が高騰する公共料金の請求書に苦しんでいる」と投稿した。
チャン・ウンジ記者 jej@donga.com






