
米国が先月、鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官の北朝鮮核施設「亀城(クソン)」をめぐる発言を受け、北朝鮮関連情報の共有を一部制限したとされ、韓米間の対北朝鮮協力に支障が生じかねないとの懸念が出ている。米国側は鄭氏の発言以外にも、韓国政府による「敏感な情報」の公開に懸念を示した前例があるという。これまでの諸懸案で表面化した韓米間の意見の相違により蓄積された米国の不満が、今回の敏感な情報の公開を機に噴出したとの見方もある。
●米、「敏感な情報の公開」に不満伝達
平安北道(ピョンアンプクト)亀城市にあるウラン濃縮施設は、これまで米シンクタンクやメディアなどで指摘されてきたが、韓米の情報当局が公式に確認したことはない。韓国統一部関係者は、鄭氏が「亀城」に言及した後、「亀城地域は過去に米シンクタンクの報告書など公開情報で核施設として言及された場所だ」と説明した。2016年7月の科学国際安全保障研究所(ISIS)の報告書では、「最近の情報によると、初期の遠心分離機の研究開発施設が寧辺(ヨンビョン)核施設から西へ約45キロの方峴(パンヒョン)空軍基地付近の工場にあったと推定される」と明らかにしている。方峴空軍基地は亀城市に位置するが、報告書には「亀城(Kusong)」との直接の言及はない。
平安北道の寧辺の5MW(メガワット)級原子炉のように兵器級プルトニウムの抽出は大規模再処理施設が必要なため、偵察資産に活動が把握されやすいのに対し、もう一つの核物質である高濃縮ウラン(HEU)の製造施設は規模が小さく、地下に設置されれば把握が難しい。北朝鮮がHEU施設を外部に公開したのも24年9月と今年1月の2回にとどまる。当時、労働新聞は金正恩(キム・ジョンウン)総書記の視察場所を明らかにしなかったが、韓米情報当局は24年9月は平安南道降仙(ピョンアンナムド・カンソン)、今年1月は寧辺のHEU施設を訪れたと把握しているという。北朝鮮の秘密裏の核物質生産が続く中、韓米当局は北朝鮮全域のHEU施設の動向を注視してきた。
韓国政府高官による初の「亀城」言及を受け、米国側は複数のルートを通じて韓国政府に強い不満を伝えたという。米国の消息筋はこれに加え、「情報共有縮小の意図はすでに韓国政府に伝えられている」と述べた。消息筋は「亀城に関する情報公開を受け、米国側が対北朝鮮情報の共有を一部制限したと承知している」と述べた。制限された情報は偵察資産などによって収集した情報とみられる。韓国は2027年までに独自の軍事偵察衛星5基を運用する「425事業」を推進しており、韓国の偵察能力は強化されているものの、依然として偵察・監視分野で米国への依存度は高い。
●韓米の不協和音噴出との指摘も
今回の問題を機に表面化した米国側の不満の背景には、これまでの懸案を巡る韓米間の不協和音もあるとみられている。南北関係の打開を目指す中で、鄭氏は韓米ワーキンググループの推進や対北朝鮮制裁、非武装地帯(DMZ)関連法などを巡り米国側と見解の違いをみせてきた。今年に入ってからも在韓米軍の西海(ソヘ・黄海)上空訓練、韓米合同軍事演習の規模調整、在韓米軍戦力の中東転用などを巡り、韓米軍当局間で軋轢が表面化した。特に、米・イラン戦争で顕在化した在韓米軍戦力の中東転用を巡っては、韓米間の意思疎通が円滑でなかったとも伝えられている。
申圭鎭 newjin@donga.com






