「正直、途方に暮れる。こんな仕事はやりたくない」
最近会った政府省庁のある特別司法警察官(特司警)はこう打ち明けた。10月から検察庁が廃止され、検事の直接的な指揮を受けなくなった場合、どう捜査するのかという問いに対する答えだった。彼は「法律の専門家でもない自分が、指揮もなく捜査してミスでもすればどうなるのか。被疑者側からの告訴・告発に苦しめられるだろうが、誰が責任を取ってくれるのか怖い」と語った。
特司警は金融や環境、労働など特定分野で警察のように捜査権限を持つ行政公務員だ。現在、全国に配置された特司警は2万人にのぼるが、この業務を専門に担ってきた捜査官はほとんどいない。大半の公務員がローテーション人事の中で捜査業務を担当しており、10人中8人は捜査経験が3年未満のいわゆる「新人」だ。これまで検事から法理の適用や手続きについて個別指導に近い形で指揮監督を受けてきた理由でもある。
しかし検察庁が閉鎖され公訴庁へと移行する10月以降、状況は大きく変わる可能性が高い。先月国会を通過した改正案により、公訴庁検事の職務から特司警に対する指揮監督権が除外された。検事が捜査に関与する経路を遮断することが狙いだが、特司警を誰がどのように指揮監督するのかについての後続議論はまだ行われていない。
明確な後続対策がないまま公訴庁が発足すれば、特司警は捜査過程の適法性を自ら判断し、すべての責任を負わざるを得ない状況に追い込まれる。例えば、押収した携帯電話内の数千枚の写真のうち、どれが裁判所の令状に基づく適法な証拠なのかを自ら選別しなければならないが、これはベテラン捜査官でも容易ではない。「違法収集証拠」を見極める基準は法典ではなく膨大な判例の積み重ねで形成されているためだ。法律家ではない行政公務員がこれを正確に理解して現場で適用するのは不可能に近いという指摘が出ている。
実際、特司警が確保した証拠が裁判で「違法に収集された証拠」として排除され、無罪判決が下された事例もある。2019年、環境部(現・気候エネルギー環境部)の特司警は、試験結果の改ざんの疑いを持たれたある製薬会社幹部を捜査する過程で、同幹部が環境部傘下機関職員に賄賂を渡した情況を収めた録音ファイルを確保した。しかし裁判所はこの幹部に無罪を言い渡した。「特司警が取得した家宅捜索令状は試験結果の改ざん容疑に限定されており、これを超えて賄賂容疑の資料を押収したのは違法」と判断されたためだ。
最近は「法歪曲罪」まで新設され、特司警の負担はさらに増している。捜査官が違法に証拠を収集した場合、最長10年以下の懲役に処され得るとの恐怖は捜査の萎縮を招く。現場では、特司警が告訴・告発リスクの高い敏感な事件を人事異動になるまで先送りしたり放置したりする「事件滞留」が現実になるとの懸念が強い。捜査遅延の被害は最終的に犯罪から保護されるべき国民に及ぶ。
特司警に対する検事の指揮監督を全面的に廃止するかどうかは、今後の刑事訴訟法改正の過程で改めて議論される可能性がある。この過程で、特司警に対する法的指揮と統制を誰がどのように担うのかについての具体策も検討されなければならない。何より特司警に最も効果的な法的助言を提供するという原則の下、十分な熟議が必要だ。
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