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国民年金の株主総会関与 「収益率向上」の一線を超えるべきではない

国民年金の株主総会関与 「収益率向上」の一線を超えるべきではない

Posted March. 25, 2026 09:02,   

Updated March. 25, 2026 09:02


3月の株主総会シーズンを迎え、国民年金が企業の提案議案に反対票を投じるなど、積極的な関与を強めている。企業トップの社内取締役選任に反対したほか、会社法改正の副作用を抑えるために取締役会構造の見直しにも歯止めをかけている。少数株主の利益保護や企業価値向上を目的とした措置とされるが、内外の不確実性に直面する企業の経営権を過度に揺さぶっているとの批判も少なくない。

先週の暁星(ヒョソン)重工業の株主総会では、国民年金が取締役数削減の会社側の提案に反対し否決させた。今秋の改正会社法施行を控え、アクティビスト・ファンドの取締役会進出を抑制しようとする企業側の動きを阻止した形だ。今週予定されている新韓(シンハン)金融グループの株主総会でも、国民年金はチン・オクトン新韓金融持株会長の社内取締役再任に反対する方針だ。60%の持ち分を有する外国人株主や議決権助言会社がいずれも賛成しているにもかかわらず、過去のライムファンド問題に関連する軽い懲戒処分を理由に反対している。

李在明(イ・ジェミョン)政権の株式市場活性化政策と歩調を合わせ、株主利益を代弁するというのが国民年金の立場だ。しかし問題は、こうした動きが企業の正当な経営権防衛まで萎縮させかねない点にある。今年9月から義務づけられる集中投票制は、複数の取締役を選任する際に株主が票を一人に集中できる制度だ。取締役会に入り込み無理な要求をしようとするアクティビスト・ファンドを遮断しようと努力するのは、企業の自然な対応だ。

さらに、国民年金の議決権行使が政治的意図を帯びていると受け取られる事態も繰り返されている。国民年金基金運用委員会のトップは保健福祉部長官であり、各省庁の次官6人を含め委員の3分の1が政府関係者で占められる。政府の影響を排し外部専門家が運用を担う先進国の年金基金とは大きく異なる。

韓国の上場企業の4社に1社で5%以上の株式を保有する国民年金は、圧倒的な影響力を持つ存在だ。その国民年金が「正解のない」企業統治や経営方式に政府の政策方向を押し付ければ、企業活動を萎縮させかねない。国内外の資産市場が揺れる中、国民の老後資金を安定的に運用しつつ収益を高めるという本来の任務を忘れてはならない。