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「対北防衛主導」という同盟の試金石の前に立つ韓国軍

「対北防衛主導」という同盟の試金石の前に立つ韓国軍

Posted January. 30, 2026 10:15,   

Updated January. 30, 2026 10:15


最近訪韓したコルビー米国防次官(政策担当)は、韓国を「模範的同盟国」と持ち上げた。だが、その発言の本質は、事実上の「同盟の請求書」に近い。

米国防総省ナンバー3のコルビー氏は、韓国が自らの国防力を強化し、韓半島防衛を主導すべきだと韓国の外交・安全保障当局に強調した。訪韓直前に公表されたトランプ政権の新たな国家防衛戦略(NDS)に明記された通り、北朝鮮に対する防衛の一次的責任は韓国が負うべきだと、改めてくぎを刺した形だ。韓国軍関係者は「『主導』という表現だが、実際には国防費をさらに増やし、対北朝鮮の通常戦力による防衛を全面的に引き受けよという要求だ」と分析する。トランプ氏の「安全保障ブレーン」で新NDSの中核設計者でもあるコルビー氏の訪韓を機に、在韓米軍の役割が対北朝鮮防衛から対中牽制へと急転換し、73年を迎えた韓米同盟は重大な転換点に立たされている。

コルビー氏のメッセージは、在韓米軍が中国牽制に適した海・空軍中心へ再編され得ることを意味するとみられる。一部では、漢江(ハンガン)以北で唯一の米軍戦闘部隊である第210火力旅団の撤収といったシナリオも取り沙汰されている。韓国軍に対北朝鮮の通常戦力による防衛を委ねる以上、軍事境界線(MDL)近くの最前線に大規模な米軍地上戦力を維持する名分と有効性は乏しいというわけだ。さらに、米本土から在韓米軍として循環配備されてきたストライカー旅団を、中国牽制のため日本やグアムへ移す可能性も指摘されている。

こうした動きが現実化すれば、北朝鮮に誤ったシグナルを与える危険が大きい。在韓米軍再編、戦時作戦統制権移管の加速、米国の戦略的重心移動が重なる「連鎖反応」を、北朝鮮が韓米同盟の抑止力低下と誤認しかねないからだ。コルビー氏の発言を、有事の米国介入意志の後退と北朝鮮が解釈すれば、韓国に対する挑発の誘惑を助長する恐れもある。

だからこそ韓国政府と軍は、これまで以上に備えと自強力の強化に全力を注ぐ必要がある。とりわけ「韓国型3軸体系」の早期戦力化を通じて、独自の北朝鮮核への対応能力を整えることが急務だ。一秒を争う北朝鮮の核・ミサイルに対する探知・追跡、防衛、攻撃の体制を完備することは、確固たる対北朝鮮抑止の核心だ。そのためには、十分かつ持続的な国防費の投資と、理念や党派を超えた北朝鮮核への対応政策の一貫性が欠かせない。

人工知能(AI)やドローンなど先端技術を組み込んだ部隊・戦力構造の全面的再設計も必要だ。西北島嶼や非武装地帯(DMZ)など最前方の接触地域に、先端無人監視と即応攻撃を連動させた高度な備えを早期に整えなければならない。兵力中心の戦争パラダイムに固執してはならない。「兵力の崖」がもたらす空白を、精密攻撃や長射程火力、無人戦闘体系で速やかに埋め、北朝鮮に対する非対称能力を飛躍的に高める努力が必要だ。

断固たる対応意志の重要性も欠かせない。北朝鮮の挑発に政治的配慮などで軍がためらえば、抑止の信頼性は損なわれ、北朝鮮はより大胆な軍事的冒険に出るだろう。軍関係者は「挑発すれば何倍にもなって報復されるという計算と恐怖を北朝鮮に持たせる作戦態勢を整えねばならない」と強調した。

トランプ政権の新NDS公表とコルビー氏の訪韓は、韓米同盟が「ただの保険」ではなく、能力に基づく契約であるという冷厳な現実を突きつけた。対北朝鮮防衛の主導という「同盟の試金石」の前に立つ韓国軍の喫緊の課題は、一刻も早く自強力を確保することだ。自尊心を先行させた未熟な自主国防論は、安全保障を賭けた危険な賭博に等しい。