
「私はグリーンランドの専門家だ」
米化粧品ブランド「エスティローダー」の相続人として知られる米実業家、ロナルド・ローダー氏(83・写真)が、昨年2月に米紙ニューヨーク・ポストに寄稿した論考のタイトルだ。ローダー氏は同文で、レアアースなどデンマーク領グリーンランドの豊富な地下資源に言及し、「グリーンランドは米国の次なる開拓地になるべきだ」と主張した。
英紙テレグラフやガーディアンなどは19日、グリーンランド併合を進めるトランプ米大統領に、グリーンランド購入という発想を与えた人物が、ローダー氏だったと報じた。ローダー氏はトランプ氏と同じく、米ペンシルベニア大学ウォートン校のMBA課程の出身で、長年にわたりトランプ氏や与党・共和党を支援してきた人物だという。
この事実は、第1次トランプ政権で活動したものの、大統領と決別したジョン・ボルトン元大統領補佐官(国家安全保障担当)の証言によって明らかになった。ボルトン氏はテレグラフに対し、2018年末、トランプ氏がホワイトハウスの大統領執務室に自身を呼び、「非常に有名な実業家(ローダー氏)が『グリーンランドを買収すべきだ』と助言しているが、どう思うか」と尋ねたと回想した。
トランプ氏は19年8月、初めてグリーンランド併合への意欲を公に示した。第2次政権では、軍事力の行使にまで言及し、強硬姿勢を強めている。ボルトン氏はガーディアン紙に対し、「トランプ氏は友人から聞いた『情報』を『真実』として受け止める」と指摘し、ローダー氏の助言が少なからぬ影響を及ぼした可能性があると分析した。
ローダー氏は1960年代にウォートン校でトランプ氏と知り合い、以降、緊密な関係を築いてきたという。2016年の大統領選では、トランプ陣営に約10万ドル(約1億4700万ウォン)を献金した。24年の大統領選では、トランプ氏のスーパーPAC(政治活動委員会)に500万ドル(約73億5千万ウォン)を拠出したとされる。さらに、1人あたり100万ドル(約14億7千万ウォン)とされるトランプ氏との晩餐会にも参加したという。
ローダー氏はグリーンランドで一部事業も展開している。デンマークメディアによると、ローダー氏は、グリーンランドのバフィン湾産ミネラルウォーターの輸出など、同地で事業を行う米企業の投資家として名を連ねた。
ガーディアンはまた、ローダー氏がウクライナの鉱物資源に関する米企業コンソーシアムにも名前を連ねていると報じた。トランプ氏にウクライナとの鉱物協定を結ぶよう促した人物も、ローダー氏だろうと推測した。
キム・ボラ記者 purple@donga.com






