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戒厳に関与した防諜司の解体、再び政治に翻弄されてはならない

戒厳に関与した防諜司の解体、再び政治に翻弄されてはならない

Posted January. 09, 2026 10:13,   

Updated January. 09, 2026 10:13


韓国軍改革のために設けられた民官軍合同特別諮問委員会は8日、国軍防諜司令部(防諜司)を解体するよう、安圭伯(アン・ギュベク)国防部長官に勧告した。防諜司が担ってきた防諜情報、安保捜査、軍事保安監査のうち、捜査権は国防部調査本部に、防諜業務と保安監査はそれぞれ新設予定の仮称・国防安保情報院と中央保安監査団に移管するという。これにより、防諜司は1968年の陸軍保安司令部創設以来、58年の歴史に幕を下ろすことになる。

これは、防諜司が本来の任務であるスパイ防止ではなく、違法な戒厳の中核的役割に関与した自業自得と言うほかない。呂寅兄(ヨ・インヒョン)前防諜司令官は、戒厳当日、与野党代表ら政治家10人余りの検挙を指示し、手錠や縄を用意した逮捕部隊が国会へ出動した。戒厳前には、北朝鮮に言及し、「不安定な状況を作り出す必要がある」とメモに書き残していた。スパイ摘発のために与えられた捜査権が、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が敵意を示した政治家の拘束に使われ、国家を安全保障上の危機に陥れかねない意図まで露呈したのだ。

尹氏は、防諜司を自らに忠誠を尽くす手足にしようとした。沖岩(チュンアム)高校の後輩である呂氏を任命し、戒厳直前まで三清洞(サムチョンドン)の安家に頻繁に呼び出して戒厳を謀議したという。防諜司の前身である国軍機務司令部(機務司)は、李明博(イ・ミョンバク)政権下での大統領選・総選挙の世論操作、朴槿恵(パク・クンヘ)政権下でのセウォル号遺族への監視など、違法な政治介入が相次いで問題化した。これを受けて事実上、機務司は解体されたが、尹政権下で防諜司として復活した。その後、政治権力との癒着はさらに露骨となり、ついには時代錯誤の親衛クーデターに動員される結果を招いた。

情報収集と捜査権を併せ持つ防諜司は、強大な権力機関でありながら、監視の死角に置かれてきた。二度と政治権力に利用されないよう、外部からの民主的統制を強化する必要がある。同時に、諜報兆候の把握と捜査機能の分離が、防諜能力の低下につながらないよう、実効性ある補完策も講じなければならない。昨年、情報司の軍務員によるブラック要員名簿流出事件で後手に回った対応が再発しないよう、防諜能力を抜本的に高めることが求められる。防諜機関が本来の任務に専念し、再び政治に翻弄されることのない契機としなければならない。