
8~12世紀の平安時代、日本の宮廷では「十二単(じゅうにひとえ)」と呼ばれる女性装束が流行した。薄い衣を何枚も重ね、裾は幾重にも重なって見え、後ろ裾は地面を引きずるほど長く垂らした。淡い色合いの絹に、椿の花や蝶などの文様があしらわれた十二単は、単なる美的装いにとどまらず、当時の身分や序列を示す象徴とみなされた。
ソウル市鍾路(チョンノ)区の国立古宮博物館で18日に開幕した特別展「千年を流れてきた時間:日本の宮廷文化」では、そうした意味を帯びた十二単に触れられる。日本の宮廷文化は、8世紀に中国の政治文化を受け入れて基礎を築き、平安時代に最盛期を迎えたと評価される。
パク・スヒ学芸研究官は、「12世紀末に鎌倉幕府が政権を握ると、宮廷文化は中心から退いたが、儀礼と記録を通じて存続した」とし、「17~19世紀に復元され、今日まで受け継がれている」と説明した。
今回の特別展では、日本の東京国立博物館が所蔵する絵画や工芸品など、宮廷関連の遺物39点が国内で初めて紹介される。天皇が居住し政務を執った正殿内で、玉座の背後に立てられていた大型屏風が代表的な展示品だ。世界の宮廷音楽の中でも原型を最も長く保ってきた例とされる「雅楽」と、宮廷舞踊「舞楽」に関連する楽器や装束も展示される。会期は来年2月まで。
イ・ジユン記者 leemail@donga.com






