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ウクライナ軍、東部の激戦地から撤退 ロシアの「ドンバス」掌握が現実味

ウクライナ軍、東部の激戦地から撤退 ロシアの「ドンバス」掌握が現実味

Posted December. 25, 2025 10:21,   

Updated December. 25, 2025 10:21


ウクライナ軍は23日、ロシアとの戦争で東部戦線の主要激戦地であり拠点とされてきたドネツク州シベルスクから撤退したと明らかにした。ロシアは現在、同州の約85~90%を占領しており、撤退によりドネツク州全域を掌握する可能性が高まった。

ウクライナ軍参謀本部は声明で、「兵士の生命を守り、戦闘力を維持するためシベルスクから撤退した」と認めたうえで、「ロシア軍は兵力と装備で大きな優位にあり、攻勢を続けている」と述べた。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、シベルスクは西方約30キロに位置するクラマトルスク、スラビャンスクとともに、ドネツクの「要塞ベルト」と呼ばれてきた。高地にあり、ロシア軍の進撃を阻む役割を担ってきたが、陥落により、ロシア軍が残る2都市への進撃基盤を得たとの見方が出ている。ウクライナ軍は両都市について、「依然として統制下にある」としている。

シベルスク撤退は、和平交渉で難航するウクライナの立場をさらに厳しくするとみられる。ロシアのプーチン大統領は、ドネツク州全域をロシア領にすると繰り返し主張し、ドネツク州とルハンスク州を合わせたドンバス全域の掌握を目標に掲げてきた。

クリスマスを前にロシアの大規模空爆も続いている。ロイター通信によると、23日のミサイルと無人機攻撃で中部ジトーミルで4歳の子どもが死亡した。首都キーウ近郊や西部地域でも、それぞれ少なくとも1人の死亡が確認された。

ウクライナのゼレンスキー大統領はX(旧ツイッター)で、「家族と安全に過ごしたいと願うクリスマスを前にした攻撃だ」とし、国際社会にロシアへの一層の非難を求めた。


イ・ギウク記者 71wook@donga.com