Go to contents

動き出すMASGA トランプ氏「100倍強力な黄金艦隊建造、韓国と協力」

動き出すMASGA トランプ氏「100倍強力な黄金艦隊建造、韓国と協力」

Posted December. 24, 2025 10:49,   

Updated December. 24, 2025 10:49


トランプ米大統領は22日(現地時間)、3万トン規模の「トランプ級」大型戦艦や新型フリゲート艦で構成する「黄金艦隊」の建造計画を明らかにした。特にフリゲート艦の生産では韓国のハンファと協力するとし、同社を「良い会社だ」と評価した。韓米造船協力プロジェクト「MASGA(米国造船業を再び偉大に)」に弾みがつくとの期待が高まっている。

●トランプ氏の顔が描かれた3万トン戦艦を建造

トランプ氏は同日、フロリダ州の自宅「マール・ア・ラーゴ」で、ルビオ国務長官、ヘグセス国防長官、フェラン海軍長官らと共に記者会見に臨み、「世界史上、最も大きく強力な2隻の新型戦艦の建造計画を承認した」と表明した。新たに開発する3万トン級のトランプ級戦艦を中核に「黄金艦隊」を発足させるという。

最初の戦艦の名称は「USSディファイアント」。トランプ氏は「最も速く、最も大きく、これまで造られたいかなる戦艦よりも100倍強力だ」と主張した。トランプ級戦艦は2隻で始め、10隻、最終的には20~25隻まで増やす計画だ。

「最初の2隻は直ちに建造を開始し、2年半以内の引き渡しを目指す」とも述べた。2028年にUSSディファイアントが完成すれば、米国は1944年のアイオワ級戦艦「USSミズーリ」以来84年ぶりに新たな戦艦を保有することになる。

公開された概念図では、艦尾のヘリ甲板外壁に、空に向かって拳を突き上げるトランプ氏の大型エンブレムや国旗が描かれる。トランプ氏は「私は美的感覚に優れている。米海軍と共に戦艦のデザインを主導する」と述べた。「黄金艦隊」という名称も、黄金を好むトランプ氏の嗜好を反映したものとみられる。

新たに建造される戦艦には極超音速ミサイル、核巡航ミサイル、高出力レーザーなども搭載される。フェラン氏は「トランプ級戦艦は米国の新たな核抑止力の一翼を担う」と強調した。一方、AP通信は、核巡航ミサイルの開発や艦船搭載は核不拡散条約(NPT)違反となる可能性があると指摘した。

トランプ氏は「米国を再び造船強国にする」とし、潜水艦15隻と空母3隻を別途建造中だとも明らかにした。来週には主要防衛産業企業の経営陣とフロリダ州で会い、F35戦闘機などの生産日程の前倒しを協議する考えも示した。「仕事ができない企業にはペナルティを科す」と述べ、スピード重視の姿勢を鮮明にした。

黄金艦隊の主眼は中国の海軍力牽制とみられている。米国は今月4日に公表した国家安全保障戦略(NSS)でも、主要目標の一つに第1列島線(日本・九州~沖縄~台湾~フィリピン)と台湾の防衛を掲げた。ただし、トランプ氏は同日、関連質問を受け、「力による平和」を強調しつつ、「中国以外のあらゆる脅威に備える対応だ。私は習近平国家主席と良好な関係にある」と述べた。

現職大統領の名前を戦艦の艦級名に用いるのは過剰との声もある。米紙ワシントン・ポストは「戦艦には州名、空母には退任大統領の名前を付すのが通例で、今回の措置は異例だ」と指摘した。

●韓国造船業界全般に追い風

国内造船業界では、トランプ氏が名指ししたハンファに加え、HD現代(ヒョンデ)など関連企業全体に追い風になるとの期待が広がる。特に、ペンシルベニア州フィラデルフィアのハンファ造船所を米海軍戦力増強の中核拠点として活用する方針が固まったシグナルと受け止められている。

業界関係者は「フィラデルフィア造船所は中長期的に米軍艦市場進出も視野に、軍艦建造に必要な施設保安認証(FCL)の申請準備を進めていると聞く。残る手続きが加速するか期待している」と語った。

米防衛大手ハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)は、黄金艦隊構想の一環で進む次期小型水上戦闘艦の設計・建造企業に選定され、支えるパートナー企業を探している。HD現代と軍事支援艦の共同開発など長期的な連携があり、何らかの形で参画の機会が開かれるとの期待が高まっている。


イ・ジユン記者 ワシントン=シン・ジンウ特派員 leemail@donga.com