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三星SDIのESS向けLFP電池、米国で2兆ウォン規模の受注 大型契約は初

三星SDIのESS向けLFP電池、米国で2兆ウォン規模の受注 大型契約は初

Posted December. 11, 2025 10:45,   

Updated December. 11, 2025 10:45


三星(サムスン)SDIが、2兆ウォン台規模のエネルギー貯蔵装置(ESS)向けリン酸鉄リチウム(LFP)電池の供給契約を獲得した。三星SDIがLFP電池を大規模に受注するのは今回が初めてだ。

三星SDIは10日、米国の大手エネルギーインフラ開発・運営企業とESS用LFP電池の供給契約を締結したと明らかにした。2027年から約3年間にわたり供給する予定で、契約規模は2兆ウォンを大きく上回る水準だという。

三星SDIは、米国内工場の一部ラインを転換し、LFP電池を生産する計画だ。ステランティスと共同建設して稼働中のインディアナ州工場の一部ラインを、ESS用LFP生産体系に切り替える方針である。

ESSとは、電力を蓄えるシステムで、発電量が不規則な太陽光などの再生可能エネルギーを補完する設備として注目される。特に人工知能(AI)時代のデータセンターにおける電力不足を緩和する手段として、需要が高まっている。

ESS市場は、韓国企業が強みを持つ三元系(NCM・NCA)よりも、中国企業が特化したLFPが主流を占めている。LFP電池が、三元系電池より安全性と経済性に優れているからだ。グローバル調査機関ブルームバーグNEF(BNEF)によると、世界のESS市場ではLFPが90%以上を占めている。

LFP開発に後発で参入した韓国3社は、昨年から本格的な成果を挙げている。バッテリー業界はAI産業の発展に加え、電気自動車市場の「キャズム」(需要低迷)でESS市場の攻略が急務となっている。

LGエナジーソリューションは昨年3月、太陽光企業ハンファキューセル米国法人との1兆ウォン台の契約を皮切りに、大口のESS受注を相次いで確保した。今年8月にはテスラと6兆ウォン規模のESS電池供給契約を締結した。SKオンも9月、米再生可能エネルギー企業フラットアイアンと最大2兆ウォン規模のESS電池供給契約を結び、初のESS受注に成功した。いずれもLFP電池で、今回の三星SDIの受注により、国内3社がそろって追撃の足掛かりを築いたとの評価が出ている。


パク・ヒョンイク記者 beepark@donga.com