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「国民の力」の印曜翰議員が議員辞職 「陣営論理は国家発展の障害」

「国民の力」の印曜翰議員が議員辞職 「陣営論理は国家発展の障害」

Posted December. 11, 2025 10:43,   

Updated December. 11, 2025 10:43


「大韓民国特別帰化1号」医師出身の野党「国民の力」の印曜翰(イン・ヨハン)議員が10日、「既得権を手放し、国民統合と国家発展に寄与したい」と述べ、議員辞職を表明した。昨年の総選挙で同党の衛星政党「国民の未来」の比例代表8番で当選し、約1年半の在任期間を経て今回辞職に至った。

印氏は同日、国会で記者会見を開き、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府の戒厳後、1年間続いている不幸な出来事は、大韓民国の未来のために克服すべきことだ」と述べ、辞職の理由を明かした。そのうえで「犠牲なくして変化はない」とし、「自分自身から既得権をすべて手放し、本業に復帰して国民統合と国家発展に寄与したい」と述べた。第22代国会では李在明(イ・ジェミョン)政府の高位職に任命されて辞職した議員はいたが、みずから議員辞職したのは印氏が初めてだ。

印氏は辞職メッセージで陣営政治を強く批判した。「ただ陣営の論理だけに従う政治行動が国民を疲弊させ、国家発展の障害になっている」とし、「白黒の二分法や陣営論理を脱してこそ国民統合が可能になると考える」と述べた。

印氏は「12・3非常戒厳」直後、「心では尹(前)大統領を理解している」「民主党は全斗煥(チョン・ドゥファン)党だ。独裁している」などと与党「共に民主党」を批判してきた。側近によると、「民主党の独走が続く中、特に打てる手立てがない状況へのもどかしさを吐露してきた。無気力感を感じたようだ」と伝えた。「国民の力」執行部も辞職を引き止めたが、印氏の意志は固かったと伝えられている。女性障害者弁護士で前世宗(セジョン)市議の李昭熙(イ・ソヒ)氏(39)が繰り上げ当選する。

印氏は延世(ヨンセ)大学セブランス病院の家庭医学科教授として勤務していたが、2023年10月に金起炫(キム・ギヒョン)代表体制で党革新委員長に起用され政界入りした。総選挙を前に「妻と子ども以外はすべて変えなければならない」とし、親尹(親・尹錫悦)系や慶尚道(キョンサンド)重鎮に不出馬を求めたが受け入れられず、42日で辞任した。

政界では印氏の辞職を「意外」と受け止める声も出た。同党の宋彦錫(ソン・オンソク)院内代表は「印氏の苦悩に深く共感する」と述べた。一方、同党のある議員は「辞職の理由が理解できない」と疑問を呈した。「共に民主党」の朴洙賢(パク・スヒョン)首席報道担当も「印氏が指摘したように、陣営だけを見る政治は国民を疲弊させ民生経済の足を引っ張るだけだ」と述べた。


イ・サンホン記者 dapaper@donga.com