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中間層の所得増加が1.8%で過去最低、これからがさらに問題だ

中間層の所得増加が1.8%で過去最低、これからがさらに問題だ

Posted December. 11, 2025 10:40,   

Updated December. 11, 2025 10:40


所得上位40~60%に分類される中間層世帯の昨年の所得増加率が、過去最低水準に落ち込んだ。高所得層と低所得層の所得・資産の格差が深刻化するなか、「社会の要」である中間層の経済基盤までが揺らいでいる。専門職が多い最上位層の所得は急速に伸び、福祉支援は最下位層に集中する一方で、中間層は各種の恩恵から取り残されている。

国家データ庁の国家統計ポータルによると、韓国の全世帯を所得基準で5等分した際、中央に当たる第3分位世帯の昨年の平均所得は5805万ウォンで、前年より1.8%増にとどまった。関連統計を取り始めた2017年以降最も低い増加率であり、昨年の消費者物価の上昇率2.3%にも届かなかった。同期間に所得最上位20%世帯の所得は4.4%、最下位20%は3.1%増えており、中間層より増加幅が大きい。

中間層の所得が最上位・最下位より伸びなかったのは、労働所得・事業所得の増加率が低かったためだ。成長を続ける大企業とは異なり、内外環境の悪化によって中堅・中小企業の経営難が深まり、同分野の労働者の割合が高い中間層の労働所得は伸び悩んでいる。消費心理の冷え込みや原材料・人件費の上昇で、中間層の一角を占めるサービス業自営業者の状況も悪化し、事業所得も減少している。

「世帯所得」は家計構成員一人ひとりの所得を合計したもののため、若年層の就職難も中間層世帯の所得減少に影響を及ぼさざるを得ない。先月の15~29歳の若年層の雇用率は44.3%で、19か月連続の低下となっている。所得だけでなく、中間層の資産増加も減速している。中間層世帯の今年の平均資産は4億2516万ウォンで前年比3.6%増にとどまり、全世帯平均の4.9%を下回った。賃借人・低価格住宅保有者が多い中間層は、ソウルをはじめとする首都圏の高額マンションの急激な値上がりから取り残されているためだ。

解決策は、中堅・中小企業やサービス業の生産性を高め、若年層を含む中間層向けの質の高い雇用を増やすことしかない。その意味で、企業の賃上げを制約する法人税率の引き上げは悪手である。性急な労働時間短縮も、中間層の所得をさらに減らす恐れが大きい。5年間で年平均9.3%ずつ増えてきた労働所得税の負担を軽減するため、古い所得税体系も見直す必要がある。中間層の所得低迷をこのまま放置すれば、消費萎縮が再び所得減少を招く悪循環に陥るのは避けがたい。