
今年の韓国のドル換算の名目国内総生産(GDP)が、昨年より約1%減少する見通しだ。ウォン安による対ドル相場の上昇幅が、ウォン建てGDPの伸びを上回った結果だ。ウォン安の基調が長期化するとの見方が広がっている中、物価不安や企業への打撃を懸念する声が高まっている。
国際通貨基金(IMF)は30日に発表した「年次協議報告書」で、今年の韓国のドル換算名目GDPを1兆8586億ドル(約2732兆ウォン)と試算した。前年(1兆8754億ドル)より168億ドル(0.9%)減少した水準だ。
IMFは、ウォン建てでは名目GDPが昨年の2557兆ウォンから今年は2611兆ウォンへと2.1%増加すると分析した。実質成長率の見通し(0.9%)に物価要因を反映した数値だ。しかし、ウォン安が進み、この成長を相殺したためドル換算GDPが減少したとみられる。
実際、今年に入ってから11月までの平均為替相場(週次終値基準)は1ドル=1418ウォンで、昨年の年間平均(1ドル=1364ウォン)より1ドル=54ウォン(4.0%)ウォン安ドル高が進んでいる。こうしたウォン安傾向は長期化する見通しで、韓米間の金利差や過剰な市場流動性などを背景にウォン安が進んでいるとの指摘が出ている。いわゆる「西学アリ(海外株に投資する個人投資家)」や国民年金の海外投資、輸出企業のドル転換留保などもウォン安の要因として働いている。
中央(チュンアン)大学経済学部の李正熙(イ・ジョンヒ)教授は、「一般的にウォン安が進めば、ドル建てで決済する原材料やエネルギー、穀物、部品などの輸入単価が跳ね上がり物価を押し上げる。生産コストの増加により企業収益の悪化は避けられない」とし、「物価上昇は庶民経済に最も大きな打撃を与えるだけに、政府による為替安定策と物価管理が急務だ」と述べた。
世宗市=チョン・スング記者 soon9@donga.com






