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EUは見直しへ…韓国は「2035年から内燃車販売停止」でいいのか

EUは見直しへ…韓国は「2035年から内燃車販売停止」でいいのか

Posted September. 26, 2025 09:27,   

Updated September. 26, 2025 09:27


政府は、温室効果ガス削減目標の達成に向け、2035年からガソリンや軽油などを燃料とする内燃機関自動車の国内販売を制限する方針を検討することになった。一方、国際社会で脱炭素議論を主導してきた欧州連合(EU)は、内燃車販売禁止の時期を2035年としてきたものの、むしろ先送りする準備を進めている。世界第7位の自動車生産国である韓国としては、経済への影響も踏まえ、環境規制を急ぎ過ぎないよう警戒する必要があるとの指摘が出ている。

環境部が内燃車の販売制限を検討するのは、「2035年の国家温室効果ガス削減目標(NDC)」を達成するためだ。NDCとは、各国が今後10年間で温室効果ガスをどれだけ削減するかを5年ごとに定める目標で、今年11月までに2035年の目標を決定・発表する必要がある。政府は、排出量が最も多かった2018年比でそれぞれ48%、53%、61%、65%の削減を目指す4つの案を検討している。文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に掲げられた「2030年までに40%削減」という目標は過度だとの指摘が多かったが、それを上回る厳しい目標を設定することになる。

特に60%以上の削減目標を設定した場合、EUと同様の内燃車販売禁止措置なしには達成できないと、環境部は説明している。これに関連し、金星煥(キム・ソンファン)環境部長官は「内燃機関車を現在の2倍の速度で減らしていかなければならない」と述べた。現代(ヒョンデ)自動車は、2040年までに韓国や米国、欧州など主要市場で、2045年までには世界全体で内燃車の販売を中止することを目標としている。政府が排出量削減目標を高く設定すれば、国内での内燃車販売制限の時期は5年前倒しになることになる。

しかし、当のEUはこの目標を先送りする見通しだ。自動車産業と関連雇用の縮小、電気自動車(EV)用バッテリーの過度なアジア依存、充電インフラ不足といった現実を考慮し、速度を調整するという。米国では、カリフォルニア州が2035年から無公害の新車のみ販売を認める計画だが、急速なエコカー転換に反対するトランプ政権が来月からEV補助金を打ち切る方針を示し、激しく対立している。

国際社会の責任ある一員として、韓国は地球規模の気候変動対策の努力を無視することはできない。とはいえ、目の前の経済現実や国際的な環境規制の動向を軽視してもならない。現在、韓国の自動車産業は、日本やEUよりも10ポイント高い対米関税を負担しながら、激しい生存競争を強いられている。理想論に偏りすぎて過度な温室効果ガス削減の目標を設定し、内燃車の早期退場を急ぐことは、自らの足かせをつけることにもなりかねない。