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「非核三原則」揺らぐ日本 官邸幹部「核兵器を保有すべきだ」発言が波紋

「非核三原則」揺らぐ日本 官邸幹部「核兵器を保有すべきだ」発言が波紋

Posted December. 20, 2025 10:59,   

Updated December. 20, 2025 10:59


 

日本の首相官邸で安全保障政策を担当する幹部が18日、「日本は核兵器を保有すべきだ」と述べたと、共同通信や朝日新聞など日本メディアが一斉に報じた。先月、高市早苗首相が「非核三原則」(核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」)の見直しに言及したことと相まって、日本が米国の戦術核再配備を模索しているのではないかとの観測も流れている。共同通信は「『核兵器のない世界』の実現に取り組む政府の立場を著しく逸脱するもので、国内外で反発を招く可能性がある」と伝えた。

今回の発言は、高市氏の先月7日の「台湾有事発言」で日中間の軍事的緊張が高まる中で出た点でも注目される。日本は中国牽制を名目に、沖縄周辺へのレーダーやミサイル配備を加速させているほか、来年度の防衛予算として過去最大となる約9兆円(約85兆ウォン)を計上するなど、軍事大国化の動きを強めている。

●「中朝ロを巡る安全保障環境は深刻」

共同通信などによると、この官邸幹部はオフレコを前提にした非公式取材で、「私は日本が核兵器を持つべきだと思っている」と記者団に語った。中国の核戦力増強、ロシアの核脅威、北朝鮮の核開発など、日本を取り巻く安全保障環境が一段と厳しさを増していることを理由に挙げた。こうした状況下で、米国の核抑止力のみに依存することはできず、核兵器保有の議論が必要だとの認識を示したのだ。ただし、現政権内で核保有に関する具体的な議論が進んでいるわけではないとも強調した。同幹部は、高市氏に安全保障政策について助言する立場にある人物とされる。

高市氏は先月11日、衆院予算委員会で非核三原則について問われ、「(安保関連3文書の見直しは)これから作業が始まる。今、このような書きぶりになると、私から申し上げる段階ではない」と述べ、「持ち込ませず」の原則見直しを示唆した。米国の拡大抑止の実効性を高めるため、米国の戦術核の持ち込みが必要だということだ。今回の官邸幹部の発言は、そのための「地ならし」ではないかとの見方も出ている。非核三原則は、1967年に佐藤栄作首相が表明して以降、日本の核政策の柱として維持されている。

一方で、日本が独自に核兵器を開発する可能性を完全には排除できないとの指摘もある。日本は1988年の日米原子力協定改定により核燃料再処理施設を稼働しており、原爆約6千発分に相当する約46トンのプルトニウムを保有しているとされる。

ただ、米国、ロシア、英国、フランス、中国の5カ国のみを核保有国として認める核不拡散条約(NPT)体制や、世界で唯一の被爆国である日本国民の根強い反核感情を踏まえると、日本の核保有は容易ではないとの見方が支配的だ。共同通信は、日本の核政策を変えようとする試みは、戦後平和主義憲法を重んじてきた国民感情とも相いれないとし、1999年に防衛政務次官だった西村真悟氏が核武装を検討すべきだと発言し、更迭されたと伝えた。

発言の波紋が広がる中、日本政府は火消しに追われた。木原稔官房長官は記者会見で、「個別の報道の逐一についてコメントすることは差し控える」としながらも、政府として非核三原則を「政策上の方針として堅持している」と述べた。

● 防衛相「日本も原子力潜水艦の議論は当然」

高市政権は10月の発足後、軍事力強化に力を注いでいる。先月12日には、小泉進次郎防衛相が原子力潜水艦の導入を巡り、「韓国やオーストラリアが保有し、米国や中国も持っている」としたうえで、抑止力・対処力を向上させる上で、何が新たな次世代の動力として必要かというのは「論議するのは当然のことではないか」と語った。読売新聞によると、防衛省は中国やロシアによる人工衛星の軍事利用に備え、来年、宇宙分野を担当する専門部署を新設する方針だ。また、航空自衛隊の名称を「航空宇宙自衛隊」に改め、宇宙作戦群を1年以内に宇宙作戦集団へ拡充する計画も進めている。日本政府は、防衛省や航空自衛隊の組織改編、長距離ミサイルや無人機の整備などを進めるため、来年度の防衛予算を過去最大の9兆円規模に引き上げる方針だ。


黃仁贊 hic@donga.com