
北朝鮮が軍事境界線(MDL)以南の地域にも地雷を埋設していたことが明らかになった。北朝鮮は昨年春以降、地雷の埋設や防壁の構築など南北分断を進める過程で、MDLを越えて地雷を設置したという。
19日、韓国軍関係者によると、北朝鮮は今年夏から先月まで、MDL付近で南北分離作業を行う中、地雷の一部を韓国側地域に埋設した。これに対し、韓国軍は警告放送や警告射撃を実施するなど、軍事的緊張が高まっていたという。
ただし、韓国軍当局は、北朝鮮によるMDL以南の地雷埋設について、故意ではなかった可能性もあると見ている。北朝鮮がMDLの位置を誤認し、南側地域にまで地雷を埋めた可能性が高いということだ。1953年の休戦協定締結当時、全長248キロのMDL沿いに設置された標識物1292個のうち、現在は大半が失われ、200個余りしか残っていない。軍関係者は「標識物の代わりに、韓国と北朝鮮はそれぞれMDLの地図を保有しているが、位置のずれが大きい」とし、「そのため先月、軍当局が北朝鮮に対し、MDL基準線設定を協議するための軍事会談を提案したが、反応がない」と述べた。
北朝鮮軍が地雷埋設などMDLの国境線化作業中にMDLを侵犯する事例も急増している。合同参謀本部が国会国防委員会所属の野党「国民の力」の姜大植(カン・デシク)議員室に提出した資料によると、北朝鮮軍は3〜11月に計16回、MDLを侵犯した。特に、このうち10件が11月4〜23日に集中し、10〜11月の侵犯件数は計13件にのぼった。11月は2日に1回の頻度でMDLを越えた計算になる。これについては、12月の冬季訓練などで作業を中断する前に、10〜11月に集中的に作業を進めた結果、MDL侵犯が相次いだとの分析が出ている。先月に発生した10回のMDL侵犯のうち、6回が江原道高城(カンウォンド・コソン)地域で起きたことについて、軍当局は「高城は北朝鮮が先月から作業を進めている地域だからだ」と説明した。
孫孝珠 hjson@donga.com






