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李大統領「北は南の北侵を心配」、南北の敵対緩和で統一部の役割を強調

李大統領「北は南の北侵を心配」、南北の敵対緩和で統一部の役割を強調

Posted December. 20, 2025 10:58,   

Updated December. 20, 2025 10:58


李在明(イ・ジェミョン)大統領は19日、業務報告で「北朝鮮は、韓国側が北侵するのではないかと心配し、三重の鉄柵を設け、戦車が越えて来るのではないかとして防壁まで築いている」と述べた。北朝鮮が唱える敵対的な「2国家論」は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の対北朝鮮強硬策が招いた結果だとの認識を示した。

李氏は同日、政府ソウル庁舎で開かれた外交部・統一部を対象とする業務報告で、「南北はかつては敵のふりをしていたが、最近は本当に敵になりつつあるようだ」と述べた。さらに「われわれはそうした教育や宣伝を受けてきた。『北朝鮮が南侵しようとしている』『韓国を狙っている』といった話も多く、そのような主張も相当な根拠があるように見えたりもする」としたうえで、「しかし現実を見れば、北朝鮮はむしろ南側が北侵するのではないかと心配している」と述べた。

また「民族共同体といった価値の話を持ち出さなくても、極めて現実的な必要性から、強いて激しく対立する理由はない」とし、「にもかかわらず、不必要な『強対強』の政策を取ったため、本当に憎しみ合う関係になったようだ」と強調した。

李氏は、北朝鮮の労働新聞へのアクセス制限解除を指示し、「なぜこれを遮断しているのか。国民が宣伝戦にだまされて『共産主義者』になるとでも思っているのか」と批判した。さらに「国民を主体的な存在ではなく、宣伝・扇動に流される存在として扱っている」と強調した。非転向長期囚の北朝鮮送還問題については、「一部では旅券を作り、中国を経由して平壌(ピョンヤン)行きの航空機に乗せる案まで取り沙汰されている」と述べた。

鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官は業務報告で、「北朝鮮を動かすことのできる『平和の包み』を用意する」とし、制裁緩和の推進を公式化した。李氏は「(南北の敵対緩和は)統一部が担うべき役割だ」として後押しした。非公開の業務報告では、南北交易の中止などを盛り込んだ5・24対北朝鮮制裁の解除についても質問があったと、趙顕(チョ・ヒョン)外交部長官が明らかにした。趙氏は同日、「来年の早い時期に大統領の国賓訪中を推進する」とも述べた。

これに対し、野党「国民の力」の朴成訓(パク・ソンフン)首席報道担当は、「大韓民国の『北侵の可能性』を心配する李大統領の認識は、果たして大韓民国の大統領にふさわしいのか疑わせる」とし、「『北朝鮮の代弁人』を自任する李政権が、大韓民国を丸ごと北朝鮮に差し出そうとする危険な歩みを見せている」と批判した。


朴訓祥 tigermask@donga.com