4年前の今ごろ、午後になると毎日のように鳴る携帯電話に胸が締めつけられた。発信元は「英語幼稚園」と呼ばれる幼児向け英語塾。担任教師は決まって、「今日もお子さんが叱られました」と理由を告げた。「廊下が響き渡るほど泣き叫び、なかなか泣き止まなかった」という日もあった。帰宅した子どもののかばんには、ポキポキ折れた色鉛筆がぎっしり。いつも「先生、今日ぼくを褒めてくれた?」と顔色をうかがうわが子は、「先生から韓国語を話したと怒鳴られ、別の部屋に閉じ込められて怖かった」と泣きじゃくった。
すぐに英語幼稚園をやめさせた。早く英語を習わせればよいと安易に考えたうえ、「5歳で入園すればレベルテストなし」という条件にもひかれた。入金順で入学が決まる仕組みで、100番近い待機順位の末に入園できたことを誇らしく思っていた自分を、今では後悔している。もちろん英語幼稚園に楽しく通う子も多いが、習得のスピードは子どもによって異なるので、冷静な判断が必要だと痛感した。
最近、教育部が初めて全国728カ所の英語幼稚園を全数調査したところ、23カ所(3%)がレベルテストを実施していたという。「英幼レテ」と検索するだけで「来年度X年目の英語幼稚園入園レベルテスト対策の家庭教師募集」といった書き込みが溢れる現実を、政府は把握できていない。授業の途中で試験を行う塾は調査対象外であり、英才判定検査などを採用するところも、調査を逃れたとみられる。
最近、国家人権委員会がレベルテストを基盤とした幼児塾の規制策を求めたからか、教育部は「レベルテストを行う英語幼稚園を継続点検する」とした。さらに、幼児対象に1日40分以上の授業を禁止する法案などで制度を改善すると表明した。
しかし、それでも英語幼稚園に子どもを通わせようとする保護者を止めるのは難しい。すべての私教育の出発点がそうであるように、「うちの子だけ遅れてはならない」という不安をぬぐえない限り無理だ。教育部を意識してか、ソウル江南(カンナム)の有名な英語幼稚園はレベルテストを実施せず、3歳と4歳が通う系列機関の卒園生だけをクラスに配属することにした。母親たちの間では、「4歳試験を防ごうとして、2歳試験までできるのでは」との皮肉まで飛び交う。
取り締まりや立法よりも、政府がまずやるべきことがある。幼児対象の望ましい英語教育方法が何かを、言語学者や心理学者、脳科学者などと研究することだ。教育部は、「英語は、小学3年生から初めて学ぶので、幼稚園で授業形式で教えるのは違法だ」とだけ言う。しかし需要が多いため、多くの一般幼稚園でも英語授業を行っている。保護者はそれでも足りないと感じ、英語幼稚園に通わせ、オムツをしている子どもにまで家庭教師をつける。
幼児期に英語のスペリングを暗記させやエッセイ執筆まで強いる過度な教育が、子どもの情緒にどんな影響を与えるのか。政府はその研究にも乗り出すべきだ。早期英語教育の利点と副作用を明確に説明してこそ、親が無分別に英語幼稚園を選ぶ事態を防げる。
私教育を一律に禁止する発想は非現実的だ。むしろ国が問題点を示して説得し、必要な支援を行えばよい。朴南基(パク・ナムギ)元光州(クァンジュ)教育大学総長は、「国が本格的に研究し、専門家が子どものペースに合わせて税金で指導すれば、嫌がる親はいないだろう」と語っている。
アクセスランキング