大法官(最高裁判事)の増員など与党の司法改革案に対して司法府が反発していることをめぐり、与党「共に民主党」の鄭清来(チョン・チョンレ)代表は13日、「全て自業自得だ。特に曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長」と批判した。党内でも曺氏や池貴然(チ・グィヨン)内乱事件担当裁判長に向けて「内乱共犯」「こういう連中が司法府の独立を語るとは牛が笑う話だ」などと非難が噴出した。12日に開かれた全国法院長会議の臨時会議で「司法府の独立保障」を強調し、「司法改革の議論には司法府の参加が不可欠」との立場を示したことで、与党が司法府への全面的な圧力に乗り出した格好だ。
法院長らが臨時会議を開いたのは、コロナ禍対策を議論した2022年以降3年6カ月ぶりだ。各級法院の裁判長など42人が7時間半にわたるマラソン会議を経て司法改革案への懸念を示したのは、それだけ事案が重大かつ緊急だとの認識があったからだろう。「共に民主党」が提示した「5大司法改革案」の核心である大法官の増員は、現在14人の大法官を李在明(イ・ジェミョン)大統領の任期内に26~30人に増やすというものだ。国会などが推薦する人事で構成される裁判官評価委員会を新設し、裁判官の評価を担当させる案や、大法官推薦委員会構成の多様化、下級審判決文の公開範囲拡大、捜索差押令状事前通知制度も含まれている。いずれも司法府の役割に重大な影響を及ぼす敏感な事案だ。
それだけに、司法府が議論に参加するのは当然だ。歴代の主要な司法改革は、政府と与野党はもとより、司法府が参加した中で行われてきた。しかし、法院行政処の千大燁(チョン・デヨプ)処長が「異例の手続き進行が続いている非常事態」と言うほど、今回は与党が独走し、司法府の意見には耳を貸していない。大法官増員問題だけをとっても、短期間で大幅に増やすことについて法院側には少なからぬ懸念があり、中堅判事が大法官を補佐する裁判研究官に異動することで1、2審法院の負担が増すことへの対策も必要だというのが司法府の説明だ。これによる副作用を防ぐためには、大法官の増員規模や時期について十分に検討する必要がある。
にもかかわらず、「共に民主党」は「秋夕(チュソク、旧暦8月15日)前の司法改革完了」という日程を設定し、「司法府は改革の対象であって議論に参加する資格はない」と追い込んでいる。司法府の意見を無視し、スピード重視で立法を強行する構えだ。司法改革の究極的な目的は、より迅速で公正な裁判によって国民への司法サービスの質を高めることだ。与党がそれを忘れていないか問わざるを得ない。
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