Go to contents

日本「神奈川沖浪裏」、韓国国内で初公開

Posted September. 08, 2025 08:47,   

Updated September. 08, 2025 08:47


すべてを飲み込むかのような激しい波。危うく揺れる船の上では船員たちが身を伏せている。水しぶきは空を覆い尽くすが、遠くには富士山が堂々と立ち、動揺する気配すらない。よく見ると、波も富士山に似ている。

4日、忠清北道(チュンチョンプクト)の国立清州(チョンジュ)博物館で開幕した「富士山に登る、山梨展」で、江戸時代の木版画の傑作「神奈川沖浪裏」が姿を現した。西洋画にも少なからぬ影響を与えたこの作品が、復刻版ではなく本物が国内で展示されるのは初めてだ。

この作品は所蔵先である日本の山梨県立博物館でも、過去19年間でわずか3週間しか公開されなかったほど大切にされている。日韓国交正常化60年を記念して、韓国で特別展示された。清州での展示では、14日まで展示され、その後は複製品に置き換えられる。

作品は縦横26×38センチと小ぶりだが、その魅力は並の大作を凌ぐ。国立清州博物館のシン・ミンチョル学芸研究士は「調和の取れた構図、青と白の鮮やかな対比が視線を引きつける。この作品はクロード・ドビュッシーの交響詩『海』にインスピレーションを与え、フランス印象派の画家たちにも大きな影響を与えた」と説明した。絵が掛けられた博物館の展示室に流れる音楽は「海」だ。

この作品は日本のパスポートの内紙や、1千円紙幣の裏面にも描かれているほど、日本人にとって意味が大きい。守屋正彦・山梨県立博物館長は「信仰と憧れの対象だった富士山を見に行く余裕がなかった江戸時代の人々は、このような木版画を家に飾って祈った。地域ごとに人々を集めて白い服を着て富士山を巡礼する『富士講』という集まりも生まれた」と話した。

「神奈川沖浪裏」は1830年から約3年間にわたり、約8千枚が刷られたという。そのうち、今日まで比較的良好な状態で保存されているのは約200点と推定されている。イ・ヤンス国立清州博物館長は「大英博物館や米メトロポリタン美術館などにも所蔵されているが、山梨博物館所蔵のものの保存状態がそれらよりも良い」と話した。守屋さんは、「2006年に日本の個人美術商から購入した。現在ではオークション市場でも入手できない」と語った。

共に展示される木版画も素晴らしい。「富嶽三十六景」のうち「凱風快晴」など17点や、木版画の大家・歌川広重(1797~1858)の絵が交互に展示される。

さらに、山梨県立考古博物館から貸し出された5千年前の縄文時代の土器13点も展示される。日本の宝物級の重要文化財で、多彩な動物模様や螺旋模様が目を引く。「甲斐の虎」と呼ばれた戦国時代の武将・武田信玄(1521~73)の肖像画も見ることができる。展示は12月28日まで。


イ・ジユン記者 leemail@donga.com