Go to contents

特検の推薦は電光石火、特監の推薦は遅々として進まず

特検の推薦は電光石火、特監の推薦は遅々として進まず

Posted August. 27, 2025 08:23,   

Updated August. 27, 2025 08:23


与党「共に民主党」は、「3大特別検察官(特検)」の捜査範囲と人員を拡大し、活動期間を延長する特検法改正案を近いうちに可決させる方針だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領夫妻が調べに応じず、新たな疑惑が浮上していることを理由としているが、「内乱撲滅」モードで政局の舵切りをすることで、来年の地方選挙まで主導権を握る狙いがあるとの見方が多い。当初、与党は27日の本会議で採決する方針を示し、急ピッチで進める動きを見せたが、法案内容をめぐる党内の意見の相違や議事日程を考慮して来月処理に延期した。

期限付きの機関である特検を法改正で再延長することが制度の趣旨に沿うのか、なぜ前例に沿って新たな疑惑を既存の捜査機関に回さないのかなど疑問点は少なくない。与党は今年6月、特検法公布からわずか3日後に、民主党と祖国革新党の推薦を経て3大特検を任命した。法案処理から推薦・任命、さらには法改正の議論までが、まるで電光石火のように進められた。

一方、大統領の親族などを監察する特別監察官の任命をめぐる議論は遅々として進んでいない。今年6月の大統領選挙直前に公約集で、当時の李在明(イ・ジェミョン)候補は「大統領室特別監察官を直ちに任命し、実質的権限を保障する」との立場を明らかにした。その後、李氏は先月3日の大統領就任1ヵ月の記者会見でも「特別監察官の任命を指示した」と明言した。

しかし、あれから2カ月近く経過しても特別監察官の任命は音沙汰がない。李大統領は国会に推薦を要請したと述べたが、与党の院内執行部の関係者は「今のところ進められている案件はない」と語る。政府発足後、与党は新執行部を構成し、商法改正案や「放送3法」などの法案処理に忙殺されたため、優先順位が下がった可能性が高い。大統領の指示があっても、与党にとって特別監察官の推薦は「猫の首に鈴をつける」難題かもしれない。

特別監察官の任命に生ぬるい反応を見せたのは、過去の政権も変わらない。2014年の特別監察官法制定で新設されたが、2016年に李碩洙(イ・ソクス)元特別監察官が禹柄宇(ウ・ビョンウ)元大統領民情首席秘書官と対立して辞任した後、事実上、同制度は9年間形骸化している。文在寅(ムン・ジェイン)政権では、高級公職者犯罪捜査処の新設に重点を置き、機能重複の理由で特別監察官の指名に否定的だった。尹前大統領も、大統領選公約として掲げつつも国会に委ねた。昨年11月の記者会見では「国会が推薦すれば当然任命する。国会の案件なので私があれこれ言うべきではない」と述べた。

尹錫悦政権発足と同時に特別監察官が任命され、親族管理がきちんと行われていれば、巨額の予算と人材が投入された「金建希(キム・ゴンヒ)特検」などが発足する理由はなかったかもしれない。金建希氏問題が表面化しなければ、12・3非常戒厳や弾劾騒ぎも起こらなかった可能性がある。事後の真相解明も重要だが、事前の予防の方がより重要である。

特別監察官の推薦が遅れは結局、李大統領の意思にも疑問を投げかけることになる。政権初期の指示を与党が履行しないのは、別の理由があるかのように映る。予防措置は痛みを伴うが、それによってより大きな問題を防ぐことができることをを忘れてはならない。