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金与正氏「拡声器を撤去したことはない、虚しい夢」…韓国軍「2ヵ所撤去後1ヵ所再設置、遮蔽物で欺瞞」

金与正氏「拡声器を撤去したことはない、虚しい夢」…韓国軍「2ヵ所撤去後1ヵ所再設置、遮蔽物で欺瞞」

Posted August. 15, 2025 08:54,   

Updated August. 15, 2025 08:54


北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は、韓国政府が北朝鮮向け宣伝放送用拡声器の撤去に応じて北朝鮮も韓国向けの拡声器の撤去に乗り出したと明らかにしたことについて「われわれは拡声器を撤去したことはない」と否定した。そして「けがらわしい欺瞞劇」と激しく非難した。

与正氏は14日、北朝鮮の朝鮮中央通信を通じて報道された「ソウルの希望は愚かな夢に過ぎない」と題する談話でこのように主張した。与正氏は「韓国大統領は自分たちが対北拡声器を撤去すると、われわれも一部(韓国向け)拡声器を撤去しているようだとして(中略)南北関係改善に役立つことを願うと発言した」とし、「これは世論操作遊びだ」と指摘した。自分たちは拡声器を撤去したことがないにもかかわらず、韓国軍合同参謀本部が9日「北朝鮮軍が拡声器を撤去する活動が確認された」と発表し、李在明(イ・ジェミョン)大統領もこれを既成事実とする発言をしたということだ。李氏は12日の閣議で、北朝鮮の拡声器撤去に言及し、「相互的措置を通じて南北間の対話と意思疎通が少しずつ開かれていくことを願う」と述べた。

韓国軍は即座に反論した。合同参謀本部のイ・ソンジュン広報室長は同日の定例会見で、「(北朝鮮が一部拡声器を撤去したという)軍の立場は同じだ。北朝鮮は(過去から)事実ではない内容を主張することもあった」と述べた。

実際、北朝鮮は、韓国軍が北朝鮮向け拡声器の撤去に着手した6日後の9日午前、北朝鮮地域40ヵ所に設置された韓国向け拡声器のうち2ヵ所の拡声器を撤去した。しかし、このうち1ヵ所は半日も経たずに再び設置され、現在は再設置場所の前に遮蔽物が置かれているという。韓国軍消息筋は「北朝鮮が韓国政府を欺きながら反応を探っている」と述べた。

一方、与正氏は、韓米合同軍事演習の調整など李在明政権が進めている南北緊張緩和措置に言及し、「虚しい夢に過ぎない」と非難した。米朝首脳会談の可能性が取り沙汰されていることについても「われわれは米国と対座することはない」と述べた。


孫孝珠 hjson@donga.com