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北朝鮮、韓国向け拡声器の一部撤去開始…韓国の先制措置から4日目

北朝鮮、韓国向け拡声器の一部撤去開始…韓国の先制措置から4日目

Posted August. 11, 2025 09:06,   

Updated August. 12, 2025 07:31


北朝鮮が9日午前から前方地域で韓国向け拡声器の撤去作業に着手したことを韓国軍当局が確認した。韓国軍が最前線の北朝鮮向け宣伝用拡声器の撤去を完了してから4日後だ。南北の軍事的緊張緩和の兆しとの見方もあるが、韓国政府は実際の南北対話再開までは時間がかかるとの慎重な姿勢を維持している。

韓国軍合同参謀本部は9日、「北朝鮮軍が今日午前から前方の一部地域で対韓国拡声器を撤去している活動が確認された」と明らかにした。北朝鮮が拡声器を設置した地域は約40ヵ所で、すでに一部地域では撤去が完了したとされる。韓国軍関係者は「全地域での撤去かどうかは追加確認が必要であり、北朝鮮軍の関連活動を引き続き確認する」と述べた。

今回の措置は、韓国側の先制的な拡声器放送の中止と韓国国家情報院の北朝鮮に対する放送停止など、李在明(イ・ジェミョン)政権の融和的措置に続く「応答」または「呼応」の動きとみられる。北朝鮮は、李在明大統領が就任1週間後の6月11日午後2時から拡声器放送を停止すると、8時間後の6月12日午前0時をもって全地域の韓国に対する騒音放送を中止した。

北韓大学院大の梁茂進(ヤン・ムジン)総長は10日、「李政権の能動的な先制措置に対する北朝鮮の受動的応答措置」とし、南北間の「善対善」雰囲気が軍事的に敵対行為を中断する方向に発展する可能性を含んでいると述べた。慶南(キョンナム)大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「韓米軍事訓練(UFS)の日程が発表されたにもかかわらず、北朝鮮が緊張を高めるのではなく拡声器撤去で対応したのは異例の現象であり注目すべきだ」と分析した。

ただし、韓国政府の融和策にもかかわらず、緊張緩和のジェスチャー以上に評価するのは難しいという反応も出ている。さらに、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長の最近の韓国に関する談話などを考慮すると、すぐに対話再開につながる可能性は低いとの見方が強い。与正氏は先月28日の談話で、「韓国と向き合うことも、議論する問題もない」と南北対話の拒否と敵対的2国家路線を再確認した。北朝鮮は最近、無縁故者の遺体引き渡しのための連絡にも応じておらず、意思疎通断絶の状況には特に進展がない。韓国政府関係者は「意味のある連絡を超えて南北対話を実現するまでには多くの時間がかかるだろう」と見通した。


シン・ナリ記者 ユン・サンホ軍事専門記者 journari@donga.com