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送還通知に応答しなかった北朝鮮、時間通りに東海に現れる

送還通知に応答しなかった北朝鮮、時間通りに東海に現れる

Posted July. 10, 2025 08:15,   

Updated July. 10, 2025 08:15


3月に西海(ソへ・黄海)、5月に東海(トンへ・日本海)で漂流していたところを救助された計6人の北朝鮮住民が9日に北朝鮮に引き渡され、送還が完了した。韓国政府によると、送還計画は、国連軍司令部と北朝鮮軍との直通電話、通称「ピンクフォン」を通じて北朝鮮側に通知されたという。

9日、韓国統一部によると、韓国政府は国連軍司令部を通じて先週と今週にそれぞれ1回ずつ住民送還計画を北朝鮮に伝えた。3日に初めて国連軍司令部と北朝鮮軍の直通電話を通じて、正確な送還日程と方式、送還が行われる海上の位置などを通知し、送還2日前の7日にも再度通知したという。

北朝鮮から送還を受け入れるという明確な意思表示は一切なかった。ただし、北朝鮮は国連軍司令部の電話を受け、通知内容をすべて聞いたという。北朝鮮は一時、ピンクフォンを通じた国連軍司令部の連絡すら受けなかったこともあるという。韓国政府関係者は「具体的に国連軍司令部と北朝鮮軍の間でどのような会話があったかは言えないが、北朝鮮軍側は電話を切らず、国連軍司令部の通知内容を受け入れるように細かな応答と反応があった」と話した。北朝鮮軍の特性上、電話を切らずに通知内容をすべて聞くだけでも、これを受け入れたと判断できるという説明だ。

今回の送還には、5月に東海で救助された北朝鮮住民4人が乗っていた船舶が活用された。6人全員の同意を得て船舶を修理した後、東海の北方限界線(NLL)から送還した。この送還作戦では、海洋警察が艦艇を投入して北朝鮮住民が乗った木船を誘導し、海軍は送還作戦を誤認した北朝鮮軍との偶発的な衝突の可能性に備えて、近隣海域で警戒態勢を敷いていたという。

西海で漂流していたところを救助された北朝鮮住民2人の韓国滞在期間は9日現在で125日となり、帰還を要請した北朝鮮住民が韓国に滞在した期間としては最長だ。「敵対的2国家論」を宣言した北朝鮮が韓国との通信チャンネルをすべて断絶したうえ、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の弾劾局面まで重なったことで、送還議論が円滑に行われなかった。今回の送還は、李在明(イ・ジェミョン)大統領が先月10日の閣議で対策づくりを指示したことで迅速に進んだ。


權五赫 hyuk@donga.com