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危機に瀕したタクシン家、娘は失脚、父は再収監の岐路

危機に瀕したタクシン家、娘は失脚、父は再収監の岐路

Posted July. 02, 2025 09:15,   

Updated July. 02, 2025 09:15


タイの政治名門として長年政界に大きな影響力を持ってきたタクシン・チナワット元首相(75)一家が危機に直面している。娘のペートンタン・チナワット首相(38)がカンボジアのフン・セン上院議長(前首相)に対し、自国軍司令官を中傷したことが明らかになって支持率が急落した。さらに、タクシン氏は2015年の韓国メディアとのインタビューで王室を侮辱したとの容疑で、1日(現地時間)に裁判を受けた。タイが政治的に不安定な状況に陥っているとの懸念が高まっている。

AFP通信によると、タイ憲法裁判所は1日、ペートンタン氏の解任審判請求を受理し、判決が出るまで首相の職務を停止することを決定した。ただし、ペートンタン氏は文化相を兼任しているため、憲法裁判所の決定後も内閣に残り、政務に関与できるとみられる。これに先立ち、タイ上院議員36人は、5月に始まったカンボジアとの国境紛争地での武力衝突の過程で、ペートンタン氏が憲法に違反したとして解任を求めた。

タイとカンボジアの関係が急速に冷え込む中、先月18日にペートンタン氏とフン・セン氏の通話内容が流出し、ペートンタン氏の政治的立場は大きく揺らいでいる。通話の中で、ペートンタン氏は北東部国境地域の部隊を指揮するブンシン・パッカン第2司令官を「反対勢力」と呼んだ。また、パッカン氏が「ただ格好良く見せようと」強硬対応を示唆したと中傷した。先月30日のタイ国立開発行政研究院(NIDA)の世論調査では、ペートンタン氏の支持率は9.2%まで下落した。3月の世論調査では支持率は30.9%だった。

チナワット一家に対する親軍部勢力の挑戦も強まっている。親軍部系の「タイ誇り党」が連立政府から離脱した後、かろうじて過半数を維持している状況で、軍部に近い上院議員らが憲法裁判所にペートンタン氏の解任を求めたためだ。

タクシン氏は2001年の政権掌握後、20年以上にわたり軍部と対立してきた。06年に軍事クーデターが発生すると、フン・セン氏はタクシン氏の海外逃亡を助けたほど親しい友人関係だった。にもかかわらず、ペートンタン氏との通話内容を流出させた理由について、フン・セン氏は「ペートンタン氏が息子のマネット首相を無視した」と語った。

タクシン氏は23年8月、側近のセタ・タウィーシン氏が首相に選出されたことを機に、15年ぶりにタイに帰国した。帰国直後、裁判所に移送され、汚職容疑で懲役8年を言い渡されたが、健康悪化を理由にすぐに釈放された。昨年8月、娘のペートンタン氏が首相に就任した直後には恩赦も受けた。しかし、タクシン氏の粘り強い政治生命は、今や重大な危機に瀕しているとの見方が多い。