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新政権の最優先教育課題、半ば崩壊状態の公教育の正常化

新政権の最優先教育課題、半ば崩壊状態の公教育の正常化

Posted June. 23, 2025 08:49,   

Updated June. 23, 2025 08:49


「先生、どうしてテストなんかしてうちの子の自信をなくさせるんですか?」

先日、本紙の教育担当記者が「公教育の正常化」をテーマに取材を進める中で会ったソウルのある小学校教員は、数学の単元評価を行った後、保護者から次のような内容のメッセージをもらったという。この教員は「掛け算や割り算などの数学では単元評価が必要不可欠なのだが、『なんでうちの子の自己肯定感を下げるのか』という連絡が受けた」と打ち明けた。大田(テジョン)のある小学校教員も「診断テストで基礎学力が低かった児童の保護者に、放課後の補習を勧めたら『子どもに烙印を押すなんて、教師として資質がない』と非難された」と困惑した様子だった。

保護者のクレームで、公教育の現場では単元テストはもちろん、校内の学力競技大会の開催すら難しくなっている中、私教育市場では国語や数学など主要科目の競技大会が人気を集めている。中学1年生までは学校教育の中で子どもの学力レベルを把握する術のない「情報ゼロ」状態だからだ。教育熱の高い保護者たちは、わが子の学力が全国で何パーセントにあたるのかを知るために私設の競技大会に参加させている。公教育は保護者の悪質クレームに委縮して本来の役割を果たせず、私教育市場はその隙を突いて拡大している格好だ。実際、生徒数は年々減少傾向にあるにもかかわらず、昨年の私教育市場の規模は30兆ウォンに迫った。

最近、本紙が韓国教員団体総連合会と共に小中高校の教員795人を対象に実施したアンケート調査では、教員の98.6%が「授業、評価、体育活動、生活指導などが難しい」と答えた。学校が果たすべき教育の本質的役割の49.8%しか果たせていない、との認識を示した。とくに教員が最も困難を感じている活動は「生活指導」(93.8%、複数回答)だった。先月、学校で死亡した済州道(チェジュド)の教員も、欠席の多い生徒を指導したら保護者のクレームに苦しめられていたという。

教育の関係者たちは、公教育が機能不全に陥った原因として、「瑞二(ソイ)小学校教員死亡事件」など教権侵害の事件が起こるたびに、政府が根本的な対策ではなく場当たり的な対応にとどまってきたことを指摘する。では海外はどうだろうか。米国では2001年に「教師保護法」、英国では2006年に「教育および検閲に関する法律」を制定し、深刻な教権侵害が発生した場合、加害生徒に対し民事・刑事責任を問うとともに、教員の法的責任は最小限に抑えている。

李在明(イ・ジェミョン)大統領は大統領選挙で、教育公約として「国家責任による公教育の強化」や「私教育費の負担軽減」などを掲げた。新政権が真に有効な教育政策を実行するには、公約どおり、まず公教育の立て直しから着手すべきである。公教育のハシゴの最上段に大学入試があるのは現実だが、学校は単なる「入試機関」ではない。公教育の現場は、生徒が人間性と市民性を学び、友人関係を築き、社会性を育むための土台そのものだ。

公教育崩壊の一因とされる教権侵害は、民主化以降、学校における権威主義の清算要求が高まる中、教育政策が生徒や保護者の権限強化に偏ったことが背景にある。公教育の正常化には、政府が教師と保護者の健全な対話とバランスの取れた協力を導く方策を打ち出すとともに、海外の事例を参考にした実効性のある法的基盤の整備から取り組む必要がある。