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42歳で証明した「ハッピーエンド」、芸術には年齢も経歴もない

42歳で証明した「ハッピーエンド」、芸術には年齢も経歴もない

Posted June. 13, 2025 09:52,   

Updated June. 13, 2025 09:52


「パク・チョンヒュ」は、一般人にはそれほど馴染みのある名前ではない。韓国国内のミュージカル界ではすでに相当な認知度を積んだ作家だが、俳優ほど有名ではなかった。多くの人が8日(現地時間)、米公演界で最高権威を誇るトニー賞で、韓国創作ミュージカル「メイビー、ハッピーエンディング」が6冠に輝いたというニュースを聞いて、パク作家の経歴と作品を探すほどだった。記者も同じだった。昨年、ノーベル文学賞を受賞した韓江(ハン・ガン)作家(55)や、2019年にフランスカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した奉俊昊(ポン・ジュンホ)監督(56)が、すでに大衆的な有名人だったのとは差がある。

しかし、パク氏の成果は驚くほど記録的だ。「メイビー、ハッピーエンディング」は、トニー賞で△作品賞、△演出賞、△主演男優賞、△脚本賞、△音楽賞、△舞台デザイン賞を総なめした。韓国創作ミュージカル初のトニー賞受賞だ。そのおかげで、韓国はエミ(ネットフリックスのドラマ「イカゲーム」)、グラミー(ソプラノの曺秀美)、アカデミー(映画「パラサイト半地下の家族」の奉俊昊監督)、トニーという米大衆文化最高賞の4大トロフィーを全て獲得した国となった。

「メイビー、ハッピーエンディング」は、未来のソウルを背景に、捨てられたロボット2台が愛と友情を通じて、「人間よりもっと人間らしい」感情を発見していく話だ。小規模な舞台だが、感情の密度と叙事の精巧さでブロードウェイの観客を魅了した。2016年の韓国での初公演から、「人間の寂しさと絆の力という普遍的テーマを、美しい音楽に盛り込んだ」という好評が多かったが、韓国の純粋創作劇でトニーの6冠を手にするとは、なかなか予想できないことだった。

パク氏は、韓国の大学で文芸創作を専攻後、大衆音楽の作詞家を経てミュージカル界に飛び込んだ人物だ。既存のミュージカルの興行公式とは距離を置いて、本人が語りたい話に集中してきたという。2013年、韓国ミュージカルアワードで、「バンジージャンプ」で最優秀作詞・作曲賞を受賞したが、巨匠と呼ばれるほどの人物ではない。

パク氏が、42歳でトニー賞を受賞したのは若い方だろうか。少なくとも史上最年少ではない。英国の作曲家トビー・マロ(31)は28歳の2022年、トニー賞の音楽賞を受賞した。一方、米作曲家兼作詞家のアドルフ・グリーン(1914~2002)は、77歳の時の1991年になってようやくトニー賞の音楽賞を受賞するほど、晩年に闘魂を発揮したりもする。

結局、重要なのは年齢や経歴ではないということだ。韓江が2016年、マンブッカーインターナショナル賞を受賞した時、文学界では、「まだ他の韓国の巨匠文人たちが受賞していない状態で、韓江のノーベル文学賞受賞の予測は時期尚早だ」という評価が出たりもした。しかし、わずか8年で、韓氏は韓国初のノーベル文学賞受賞者となった。

韓国の文化界は、依然として「年次主義」と「権威主義」という壁と戦う。デビューから何年目なのか、どの系譜に属するのかが評価基準になることが少なくない。今回のパク氏のトニー賞受賞は、年齢と経歴の境界を色あせさせた。「芸術には先輩後輩がいない」という事実を再び示した。芸術の本質は結局、今この瞬間、どれほど新しく深く人々の心に響きを与えるかにあるということを証明した。

これからも、このようにもっと頻繁に名前を知らない芸術家が、ニュースに登場してほしいという願いを抱いてみるのはどうだろうか。足りない私の常識に若干の恥ずかしさを感じ、名前を知らない芸術家の名前を検索してみて、遅れてでも作品の世界にはまる経験をもっとたくさんするようになることを夢見る。もう少しオープンな気持ちで、観客席に向かいたい。