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朝のコーヒー一杯、昼の集中力を高めて夜は睡眠誘導に役立つ

朝のコーヒー一杯、昼の集中力を高めて夜は睡眠誘導に役立つ

Posted June. 12, 2025 09:18,   

Updated June. 12, 2025 09:18


不眠症で苦しんでいる時に避けるべき飲み物は、コーヒーなどカフェイン成分が含まれた飲み物だ。筆者は診療室でコーヒーの色があるすべての食べ物を避けるように話す。チョコレートにもカフェインと似た覚醒成分が入っているからだ。しかし、場合によってはカフェインが役に立つこともあり、むしろ勧める場合もある。カフェインの覚醒作用が、時には不眠症患者に役立つこともある。

カフェインは摂取後15~45分以内に血液に吸収され、脳に到達する。効果は通常3~7時間持続する。カフェイン半減期(体内濃度が半分に減る時間)は平均的に3~5時間。午前7時にコーヒーを飲むと、昼頃にはカフェインの覚醒効果が弱まる。朝に摂取したカフェインが夕方の睡眠に直接的な影響を及ぼす可能性は低い。一方、午後2時以降のカフェイン摂取は半減期があるため、午後10時以降も残留し、睡眠の質を落とす恐れがある。昼食後、カフェインを禁止する理由だ。

朝にコーヒーを飲むのは、単に眠気を追い払うこと以外にも多くのメリットがある。カフェインはアデノシン受容体を遮断して眠気を抑制する。ドーパミンとセロトニンのような神経伝達物質の分泌を促進し、集中力と気分を向上させる。朝の業務の効率性を高め、昼間の活動的な状態を維持するのに役立つ。

朝のカフェインは日周期のリズムを強める。脳には眠りと目覚めを司る中枢がある。眠りと目覚めはすべて中枢の役割だ。ところが、不眠症患者は中枢から出る睡眠誘導刺激が弱い。朝に覚醒が始まり、昼に十分起きていれば、夜間の睡眠誘導刺激がさらに強くなる。朝と昼の覚醒は夜に深い睡眠を誘導する。

カフェインは精神健康にもプラスの影響を与えることがある。適度なカフェイン(1日200~400ミリグラム、コーヒー2~4杯)は認知機能を向上させ、憂鬱感や不安感、精神的な疲労を減らすのに貢献する。ある研究によると、適正なカフェイン摂取はうつ病のリスクを8%低下させた。カフェインが脳の報酬系を活性化し、肯定的な気分を誘導するからだ。しかし、過剰摂取すれば(400ミリグラム超過)、不安や焦り、心拍数増加などの副作用が現れることもある。

コーヒーは単なる眠りを覚ます飲み物ではない。朝に適切に摂取すれば、昼に覚醒と生産性を高め、夜にはさらに深い睡眠を誘導することができる。カフェインの半減期と作用時間を理解し、午後遅くに摂取することを避けるなら、睡眠妨害なしにメリットを享受することができる。