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「ドーパミン天国」プラットフォームが稼ぐ方法

「ドーパミン天国」プラットフォームが稼ぐ方法

Posted May. 24, 2025 09:48,   

Updated May. 24, 2025 09:48


2022年、電気自動車大手「テスラ」のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が440億ドル(約60兆7千億ウォン)でX(旧ツイッター)を買収すると発表した時、市場の反応は二分した。「過大な金額を支払った」という批判と「Xの潜在力は無限大だ」という肯定的な意見がぶつかった。著書によると、マスク氏は人間の関心を捉え、プラットフォーム内に閉じ込めておけるソーシャルメディアの価値を高く評価し、私たちに迫る「注意力資本主義」の属性を見抜いた人物だ。マスク氏のこのような決断は、後日どのような評価を受けるだろうか。

人間の注意力を労働力のように売買する現代社会を「注意力時代(Attention Age)」と名付けた著者は、グローバルなビッグテック企業やメディア企業が人間の注意力をどのように商品化しているかを分析した。米国の政治評論家であり、MSNBCのニュースアンカーでもある著者は、「グローバル企業は高度な技術を用いて私たちの注意力を売買し、それが世界経済、政治、メディアに影響を与えている」と強調する。彼によれば、人々の注意力は今日、かつてないほど貴重な資源となっている。

振り返ってみると、19世紀の産業革命の産物として「退屈」「暇」が誕生した。工場での反復的な単純作業に人間が徐々に慣れていくにつれ、まるで「心理的な死」とも言えるような「退屈」が生まれた。その隙にテレビ、ラジオが入り込み、人間がより強く、より速い刺激を求めるようになると、注意力はデジタル市場へと移行した。スマートフォンと最先端の放送技術が普及した現代では、注意力を奪い合う戦争がさらに激化している。テック企業は、ユーザーが滞在する時間に価値をつけ、それを広告主に販売し、インフルエンサーは自身が受けた他人の関心(注意力)を現金に換えて富を蓄積する。

著者はこれに対して批判的な視点を堅持する。注意力さえ引きつければ金がついてくると信じる一方で、本来すべての人が大切にすべき価値や情報には鈍感になってしまうと指摘する。トランプ米大統領は「注意力狩り」に成功したかもしれないが、それを巧妙に利用して自身の政策を推し進めようとする人物だと批判する。

多くのメディアに無防備にさらされている今日、著者の分析は当然のことのように聞こえる。すでに私たちは「注意力時代」を主導するプラットフォームにあまりにも慣れすぎてしまったのだろうか。著者は『注意力の統制権を守るべきだ』と強調するが、それが可能かは疑問だ。


キム・ギユン記者 pep@donga.com