Go to contents

過度に慎重モードの李在明氏、「ゼロサムゲーム」になった与党の大統領候補選び

過度に慎重モードの李在明氏、「ゼロサムゲーム」になった与党の大統領候補選び

Posted April. 29, 2025 08:55,   

Updated April. 29, 2025 08:55


最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前代表は、89.77%という1987年以降、民主党系列政党の党内選挙では過去最高の得票率で党公認の大統領候補に選出された。皆、最初から「オデミョン」(どうせ大統領候補は李在明の略語)だと言ったが、実際の李氏は半月余りにわたる党内選挙中にまるで役員人事を控えている万年部長のように気を揉んだ。

大衆に露出される日程は最小限に抑え、記者たちとの対面接触も減らし、万が一の舌禍やリスクを全面的に遮断した。毎日一つ以上の公約を出したというが、全てフェイスブックを通じてのことだった。これさえも、キャンプ所属の議員たちが「代理発表」したため、李氏の苦心と構想を肉声で直接聞く機会はほとんどなかった。結局、チャットGPTが書いたような曖昧な内容だけが空しく広がった。

李氏は、原発や不動産、株式など選挙シーズンの最も論争的な問題についても、徹底的に回避している。「人工知能(AI)産業のために安定的な電気供給が必要だ」としながらも、新規の原発については直接的な答を避けた。第4期新都市を公約しながらも、いつどこにどれだけ供給するかは言及せず、「コスピ5000を達成する」としながらも、何を根拠に算出した数値なのか、いつまでにどのように達成するといったディテールはなかった。3度の予備選挙のテレビ討論でも、激しい舌戦は一度もなく、孔子の言葉のような原則論的な話だけを繰り返した。

民主党の関係者は、「李候補は、あえて党内予備選挙の時から前面に出てイメージを消費する必要はない」と話した。李氏陣営では、「候補が過度に慎重にふるまったにもかかわらず、むしろ支持率はさらに上がったことに注目してほしい」と話した。リスク回避のための「戦略的沈黙」という話だ。

民主党の予備選挙は一言で李氏の「金持ち喧嘩せず」だったとすれば、現在進行形の「国民の力」党の予備選挙を一行で要約すれば、「やらない方がましなゼロサムゲーム」だ。選挙が進めば進むほど、選びたい人がいないという確信だけを強く与えている。

「ゴキブリと車輪、どっちに生まれ変わりたいのか(韓国語でゴキブリは「パキボルレ」で、文字通りでは「車輪虫」となる)」と尋ねる水準以下の討論会を始め、「ストレートヘア」と「シークレットシューズ」など嘲弄と乱雑な物言いだけが残った。尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領をめぐって、いまだに「お世辞を言ったね」「ふざけたね」といった発言を交わして舌戦を繰り広げているのを見ると、誰も「尹錫悦の川」から抜け出せずにいるようだ。

それという未来政策ビジョンは全く見せられなかった「国民の力」の候補たちは、「韓悳洙(ハン・ドクス)ラブコール」には一斉に先を争って出ている。先の大統領選挙でも、党内で候補を見つからず、政治経験の全くない検察総長出身を急いで連れてきて、あの騒ぎを起こしたのに、再び外部から人材を受け入れて何とか適当に延命しようとする計算にしか見えない。今回の大統領選挙がなぜ3年ぶりに再び行われることになったのかに対する真剣な省察や反省どころか、直前の与党としての最低限の責任感さえも読み取れない。

李在明氏と尹錫悦氏があらゆる醜聞と議論の中で競争した第20代大統領選挙は、過去最悪の非好感選挙に挙げられている。今みたいに李氏が「まずは大統領になってから」という気持ちで身を潜め、「国民の力」の候補たちは集団で無駄な空振りだけを続けるなら、第21代大統領選挙も過去の大統領選挙に劣らない非好感選挙になるだろう。今、私たちが、有権者が知りたいのは、それで一体どうやってこの危機を克服しようとするのかということだ。それに対する真剣な答えが必要だ。