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韓国出馬「ノーコメント」··· 「政治天秤」で「国益を守る」うまくいくか

韓国出馬「ノーコメント」··· 「政治天秤」で「国益を守る」うまくいくか

Posted April. 22, 2025 09:00,   

Updated April. 22, 2025 09:09


韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行首相が20日(現地時刻)に報道された英紙フィナンシャルタイムズとのインタビューで、大統領選に出馬するかどうかについて「まだ決めていない(not yet)」とし「ノーコメント」と答えた。「選出されていない首相」として大統領権限を行使することに対する憂慮については「権限代行と選出された大統領間とでは遂行できる業務に差がない」と話した。この発言にめぐり、韓氏が事実上大統領選出馬の可能性を残したのではないかという解釈が出ている。

今月8日、韓氏の大統領選出馬説が本格的に提起されてから2週間近く経ったが、韓氏は出馬するかどうかについて明確な立場を示す代わりに、曖昧な言い回しと沈黙で一貫してきた。このような韓氏の曖昧な態度は、早期大統領選挙を控え、ただでさえ混乱している政局をさらに混乱させている。韓氏はその一方で、米国との関税交渉を直接指揮する考えも明らかにしている。このため、早期妥結という政治的成果のために米国に低姿勢で臨み交渉を急ぐのではないかと疑問の声もあがっている。

韓氏は同紙とのインタビューで米国の関税措置に対して「対抗しない(will not fight back)」と明らかにした。さらに「韓国の産業力量や金融の発展、文化、成長、富は米国の助けのおかげ」と述べた。交渉を始める前に米国の「恩恵」を先に強調したのだ。また「米国産液化天然ガス(LNG)や商業用航空機の購買を含め貿易黒字縮小について話し合う意向がある」として交渉カードを先に示した。

米国との関税交渉が在韓米軍の防衛費分担金問題とつながる可能性も否定しなかった。同紙は、韓氏が「事案の性格に応じて」防衛費協定を再び話し合う意向があることを示唆したと報じた。このような発言は、「最終決定は新政権で行い、性急に妥結しない」「通商と安全保障を分離して対応する」としてきた政府の既存の立場とは相反する。関税猶予期間内に次期政府が発足することを強調し、最大限慎重に進めても足りないところで混乱を招いているのだ。

韓氏はイースター礼拝に参加し、光州(クァンジュ)や蔚山(ウルサン)などの現場視察に出るなど一見大統領選候補のような動きを見せている。世論を察しながら出馬を天秤にかけるような曖昧な動きが長引く中、これを見守っている国民の疲労感も高まっている。大統領選挙まで約40日を残している状況下で、公正に国政を管理しなければならない最高責任者の姿としては適切ではない。一日も早く、本人が大統領選挙のプレーヤーなのか、それとも中立的な管理者なのか、立場を明確にしなければならないだろう。