
与党「国民の力」は22日に、大統領選挙候補を選ぶ党内予備選の1次カットオフ通過者4人を発表する中、大統領選候補者間の内紛が拡大している。弾劾に反対する候補と賛成する候補の間で「弾劾責任論」をめぐる攻防がネガティブ攻防に発展し、過熱の様相を呈している。党内の一部では、「誰が大統領候補になろうと、予備選の後遺症で本選での競争力が心配だ」との懸念の声も出ている。
●洪氏「ナルシシスト」vs韓氏「私は離党していない」
洪準杓(ホン・ジュンピョ)前大邱(テグ)市長と同党の韓東勲(ハン・ドンフン)前代表は21日も、前日の大統領選候補1次予備選討論会で起こった対立を続けている。洪氏は同日、フェイスブックに、韓氏を名指しして「外見に執着し、自撮りばかりするのはただのナルシストだ」とし、「外見よりも中身が充実してこそ、洞察力も生まれ、知恵も生まれ、慧眼も生まれる」と書き込んだ。
洪氏は、チャンネルAのYouTube番組で、「シークレットシューズを履いたり、部分かつらをつけたり、体型に合わせた下着を身に着けたりするようなイメージ政治ではなく、きちんと政治をするには、中身が深くなければならないという話をしようと遠回しに言った」と話した。洪氏は続けて「最初からイメージ政治で挑もうとすると長続きしないという話をしようとしたのだが、妙に皮肉っぽく受け取る人が少しいる」とも述べた。
洪氏は前日、韓氏に「背も高いのに、なぜシークレットシューズを履くのか」と発言し、韓氏は「幼稚だ」と応酬した。洪氏は助言のつもりで発言したと主張したが、党内ではネガティブな攻勢を続けるためという見方もある。
韓氏は、洪氏の過去の離党経歴などを持ち出し、反撃に出た。韓氏は、「他の人たちと違って、離党した経験もない」とし、洪氏が2020年の第21代総選挙出馬のために離党したことを指摘した。韓氏はまた、「私は特殊活動費を家に持ち帰った経験もない」とも述べた。洪氏が15年、「成完鍾(ソン・ワンジョン)リスト」疑惑の際、国会運営委員長時代に特殊活動費の一部を生活費として妻に渡したと釈明したことを皮肉ったのだ。
激しい「4強」争いを繰り広げている羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)議員と安哲秀(アン・チョルス)議員も、大邱で舌戦を繰り広げた。安氏は同日、同党の大邱市党の記者会見で、羅氏を名指しし、「弾劾却下を叫んでいた人が、弾劾が認められるやいなや大統領選に飛び込んだ姿は、恥知らずの極み」とし、「討論で不利になるので尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領に言及するなと言うが、甘ければ飲み込み、苦ければ吐き出すのもここまでひどくはできない」と述べた。
これに対し、羅氏は大邱市議会で開いた記者懇談会で、「安氏は焦っているようだ。今や弾劾に反対した人も、賛成した人も皆、心を合わせて大韓民国の憲法価値を強固にし、未来に進まなければならない」と述べた。羅氏は安氏について、「他人の巣に卵を産むカッコウ」とも表現した。
同党のある2期議員は、「予備選があまりにも過熱し、候補者間の争いが激化している」とし、「4人が争う2次予備選はさらに熾烈になるだろう。最終候補選出後、力を合わせることができるか心配だ」と話した。
●党執行部「敵前分裂はいけない」
「ユン・アゲイン(Yoon Again)新党」創党説や、弾劾反対集会を主導したサラン第一教会の全光焄(チョン・グァンフン)牧師の大統領選出馬宣言など、保守陣営の分裂危機と関連して、「国民の力」執行部は「敵前分裂は絶対にあってはならない」と強調した。
李亮寿(イ・ヤンス)事務総長は同日、「先週の(尹錫悦)新党創党論議に続き、週末には保守団体代表の大統領選出馬宣言があった。敵前分裂は前科4犯の李在明(イ・ジェミョン)前『共に民主党』代表が大統領になることを助けることにしかならない」と述べ、尹氏の弁護団の新党創党の動きを批判した。
「国民の力」は「汎保守ビッグテント」の推進など保守統合も図っている。同党の権寧世(クォン・ヨンセ)非常対策委員長は同日、国会で開かれた非対策委員会会議で「大韓民国の憲法秩序を信じる自由陣営がすべて一つになって力を合わせなければならない。今日、『国民の力』は党の扉を再び大きく開く」とし、「一時的に党を離れていた方、他の政党に所属していた方々、過去にこだわることはない」と述べた。
イ・サンホン記者 dapaper@donga.com