
トランプ米大統領の強力な関税政策にもかかわらず、今年3月まで韓国が米国を相手に上げた貿易黒字額が、昨年より小幅に増えたことが分かった。米国側が「不公正」と名指した対米貿易の黒字額が減っておらず、今週に予定されている韓米の財務長官と通商長官による「2+2」高官級通商協議で不利な要因として働く恐れがあるという懸念が出ている。
20日、韓国貿易協会によると、第1四半期(1~3月)に韓国が米国を相手にあげた貿易黒字は133億8000万ドル。1年前(132億2000万ドル)より小幅増加した。昨年の対米貿易黒字は556億3000万ドルで、過去最高の水準を記録した。
ただ、関税戦争で通商の不確実性が高まり、対米輸出は小幅減少(2.0%)した。韓国の主力商品である自動車の輸出が1年間で11.2%減少し、その他の機械類(マイナス50.9%)、建設機械(マイナス29.4%)、鉄鋼版(マイナス26.5%)などの品目の対米輸出も減った。
輸出減少傾向にも関わらず黒字を出したのは、米国への輸出額の減少よりは、米国から輸入額の減少幅がさらに拡大したためだ。高率関税の賦課を見込んだ米国製品の輸入バイヤーたちが、商品の注文を事前に増やしたことが影響を与えたものと分析される。
今週、政府が米国との本格的な対面協議に乗り出す予定である中、昨年と同じ水準で維持された貿易黒字額が交渉に不利に働く可能性があるという見方も出ている。ただ政府は、第2四半期(4~6月)は対米輸出と貿易黒字などで米政府の関税政策の影響が本格化するものと見ている。
世宗市=ソン・ヘミ記者 1am@donga.com