
政府が三星(サムスン)物産と第一毛織(チェイルモジック)の合併で損害を被ったとして米国系私募ファンドのメイソン・キャピタルが提起した投資家と国家間の紛争(ISDS)による仲裁判断の取消し申立て訴訟の判決に控訴しないことにした。
法務部は18日、「政府代理ローファームや外部の専門家らとの議論を重ねた末、政府のメイソンISDS仲裁判定取り消し請求を棄却した判決に対して控訴しないことにした」と明らかにした。これを受け、政府はメイソン側に元金や遅延利息を含め約860億ウォンを支払わなければならない。支払いの時点はメイソン側が検討中だという。
三星物産の株主だったメイソンは2015年、三星物産と第一毛織の合併承認過程で、韓国政府が国民年金公団の議決権行使に不当な圧力を行使したため三星電子の株価が下落し、約2億ドルの損害を被ったと主張した。メイソン側は2018年9月13日にISDSを提起したが、国際常設仲裁裁判所(PCA)は昨年4月、韓国政府が3203万876ドル(約438億ウォン)と遅延利息などを支払うよう判定した。政府が仲裁地であるシンガポール裁判所に取り消し請求を提起したが、今年3月に棄却された。
法務部は「政府は法理だけでなく控訴提起の際に発生する追加費用や遅延利子など様々な事情を総合して決定した」とし、「今後も国益を最優先にして対応する」と説明した。
チェ・ミソン記者 cms@donga.com