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企業の死活がかかった商法改正なのに、「票」だけを計算する野党

企業の死活がかかった商法改正なのに、「票」だけを計算する野党

Posted March. 17, 2025 09:02,   

Updated March. 17, 2025 09:02

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「商法の改正は、金融投資所得税(金投税)廃止のように『正解』のある問題だ。半導体産業の週52時間例外許容のように明確な答えがない問題が難しいけど、商法改正のように答えがはっきりしている問題は簡単だ」

先月に会った最大野党「共に民主党」の有力議員は、商法改正案の強行処理の背景を尋ねる質問に、このように話した。彼が言った「正解」とは、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾が認定され、早期大統領選挙が実現した時の「票」のことだろう。週52時間の問題のように、経営界と労働界が真っ二つに分かれる問題は、気軽にどちらかの肩を持ちにくいが、商法改正は企業に比べて絶対多数である1500万人の「個人投資家」を味方にすれば済むことで、悩みの余地がないという趣旨だ。

民主党は昨年11月5日、李在明(イ・ジェミョン)代表が金投税廃止を突然発表した直後、党の支持率(韓国ギャラップ基準)が1週間で6%上がる経験をした。当時、同党執行部の議員が鼓舞された表情で、「個人投資家たちは、『金投税とセットでまとめて、商法改正案も早く処理してほしい』と大騒ぎしている」と話したことを思い出す。

このような背景の中、商法改正案は13日、ついに国会の敷居を越えた。企業はただでさえ息詰まるトランプ2期目政権の攻勢の中、海外のアクティビストファンドまで牽制しなければならない状況に呆然となっている。特にすべての株主に対して利益を忠実に保護しなければならないという「取締役充実義務」導入の可能性に、取締役会ごとにかなり緊張した様子だ。大企業の幹部職員は「今も社外取締役が集まれば、どうすれば訴訟を避けることができるのか各自ノウハウを共有するのが現状だが、今や外国系アクティビストファンドまでが株主としての利益が侵害されたとして訴訟を起こしてきても、避ける方法がない」と打ち明けた。

民主党の李素永(イ・ソヨン)議員は13日、国会本会議で「商法改正案が処理され、コリアディスカウントが解消されれば、短期差益を追求するアクティビストファンドが入ってくる余地ははるかに減る」と主張した。だが、株価には企業の競争力と業況、政治・経済問題などが複合的に絡まっている。商法改正案が可決されると、コリアディスカウントが自ら解消され、株価が上がると誰も断言できない。

さらに、そもそもアクティビストファンドは「差益」を狙う集団であるため、株式市場の評価水準と直接的な関わりは大きくない。米国の株式市場は、韓国とは逆に高評価された傾向があるが、アクティビストファンドの本場と言える。

もちろんこの間、物的分割などで小口株主たちに対し「不意打ち」をかけてきた一部の大企業もある。このような横暴が問題なら、これらの弊害に対するピンセット規制で十分に可能だが、頑として全面的に規制をしようするのは、個人投資家の漠然とした「反企業情緒」を刺激しようとするものと見られる。

すでに三星(サムスン)と現代(ヒョンデ)自動車は2016年と2018年、米国アクティビストファンドのエリオットからそれぞれ30兆ウォンと8兆ウォン規模の株主還元要求を受けている。最近もプライベート・エクイティ・ファンドであるMBKパートナーズが、ホームプラスを買収し、短期収益のみを得た後、素早く企業再生手続きを申請したことについて「食い逃げ」との批判が沸騰している。そのように何度もやられたにもかかわらず、アクティビストファンドに自ら門戸を開いたのは、コリアディスカウント解消を通じた「バリューアップ」ではなく、「バリューダウン」に近い措置だ。いくら票が重要だとしても、民主党に正解が企業には正解ではないことを見逃してはならない。