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非正常の正常化

Posted March. 11, 2025 08:53,   

Updated March. 11, 2025 08:53

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昨年9月は8月からの暑さが猛威を振るったが、今年2月は1月からの厳しい寒さに加え雪が降った。3月も、2月からの寒さが続いている。今年の夏は経験しないと分からないが、異常気象が年を超えて現れているのを見ると、今後も私たちが知っていた四季は、一ヵ月ずつ遅れるのではないかという気がする。非正常の正常化だ。

正常と非正常の違いは、科学的根拠があることもあるが、人々の慣習と慣れが基準になることも多い。いずれにせよ、人々は異常を恐れ、嫌がる。代表的な例が日食だ。東西を問わず、日食は極めて災厄的現象あるいは神の警告だと考えた。ローマ時代に反乱を起こした兵士たちは、日食が進むと、突然反乱を中断して逃走してしまった事件もあり、戦争を中断したこともある。

このようなことは、日食が肯定的な効果を与えたと言えるが、集団的に広がる不安は人々を野獣に変化させ、弱者を弾圧したり破壊的行為に発展したりする可能性を高めた。

日食、月食が天文現象に過ぎないという事実を、人類は意外にも非常に古代から知っていた。古代ギリシャの数学者タレスは、日食の日付を測定して予言した。高麗や朝鮮でも、天文館員がいて日食をあらかじめ計算した。

にもかかわらず、古代から政府の対応は、人々に日食と月食は天文現象だと啓蒙するよりは、王が直接祭祀を行ったり国民向けに王の統治を反省する文を頒布したりした。自然現象も政治的に利用したと解釈することもできるが、合理的な説得で大衆の不安を解消できなかったという事情がより大きかったと思う。

集団的利己主義に端を発した集団的恐怖、集団的確信は、科学と論理では説得できない。医者は症状ではなく、症状の原因を探さなければならない。社会現象も同じだ。